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勇者?

 遅くなりました。


 ごめんなさい。

「確かに美少女だが、ガキじやねーか!何処が絶世の美女だ!」


 そう言いながらトワは横にいるクラインを睨んだ。

 

 女王は腰まである水色のストレートロングの髪をして、見た目は確かに可愛いが、可愛い女の子、ロリっ子だ!


「俺はそんな事は言ってないぞ?それに、お前は小さい女の子が好きなんだろ?連れてんだから」


 クラインはニヤニヤしながらトワの言葉に反論する。

 よく考えてみると確かに絶世の美女と言葉で言ってるのはレイシャとアグリバッハだけだった。


「・・・確かに言ってはいない・・・、と言うか、俺を変態みたいに言うな!アイリとリーネは特別なんだ!」


「違ったのか?ハハハ、それは悪かったな。だが、俺は絶世の美女何て言ってないだろ?」


 トワはアグリバッハの反応を思い出して気が付いた。


「そう言えば、昨日アグリバッハはあんたの顔色を伺ってたじゃねえか。あんたが何かしたんだろ!」


「ハハハ、確かに俺がレイシャにそう言うように頼んだ。男なら気になって絶対に来ると思ったからだ」


 クラインは笑いながら言った。


「ふざけんな!こんな遠くまで来てこれが落ちか?謝りやがれ」


「なら先にお前が昨日の事を謝ったら俺も謝ってやる」


「は?昨日?」


 クラインは笑うのをやめて怒りながら、


「俺の事を無視したり筋肉達磨って言った事だ!」


「まだ気にしてたのか?ガキかお前は!て言うかオッサンの方が先に騙していただろう?」


「うるさい!お前が先だ」


「はー、わかったよ。ワルカッタ スイマセンデシタ」


「何だそれは、全く心がこもってないじゃないか?」


「いいから、謝ったんだから次はオッサンが誠意を見せて腹を切れ」


「おい!ふざけるな!」


 等と、城だという事を忘れてクラインと言い合いをしていると流石に女王がキレて壇上から降りてくる。


「ふざけるなはこちらの台詞じゃ!さっきから聞いていればいい加減にせんか!人の事をガキだの小さいだの妾はもう8歳じゃ!」


 この世界では10歳で冒険者ギルドに登録できるので一人前と言われる。

 つまり、8歳はまだ子供だ。


「ガキだな」


「ぬぐぐ!誰か!この者等を捕らえよ!」


 女王は顔を真っ赤にしながらトワとクラインを指しながら言った。

 白い髭を口の周りに生やした初老の男が貴族達が並んでいた一番前から出てきた。


「女王陛下、それは無理です。たかが子供だと言われたぐらいで取り乱さないでください」


「ぬぐぐ!しかし、」


 少し二人で話していて、女王が何かを耐えるように落ち着き始めた頃にクラインが空気を読まずに俺に話しかける。


「そうだよな、あれは小さいって言うより、まな板だもんな」


 などと言った。

 空気が一瞬止まり謁見の間にいたクライン以外の全員の声が重なった。


「「「「「「「「「「「「「「「そっちの事かよ!」」」」」」」」」」」」」」」


 女王はまた顔を真っ赤にしながら怒っていた。


 するとその男は咳払いをして注目を集めて話を始める。


「このままではらちが明かないのでここは、ルーレンス公爵家が家長のこの私ベロイド=ルーレンスが喋らせてもらいますぞ」


 何とその男は大貴族だった。

 公爵は女王を壇上の上にある椅子まで連れていき座らせて自分はその横に立って喋る。


「こちらにおわすのが、パースト国女王ファシア=メリトス様です」


 女王は偉そうに胸を張っていた。


「先ほどは失礼をいたしました。私は王都の冒険者ギルドでギルドマスターをしていますクラインです」


 クラインは先ほどとは違い真剣な感じで自己紹介をして軽く頭を下げた。

 クラインは王都のギルドマスターだけあって女王達とは面識があるが形式的に挨拶はした。

 深々と頭を下げないのは冒険者ギルドがどの国にも属さないため媚びている等の誤解が生まれない様にするためだ。


「私は冒険者のトワと言います。後ろにいるのが私のパーティーメンバーのアイリとリーネです」


「アイリです」


「リーネです」


 トワ達三人もクラインの真似で軽く頭を下げる。


 王女はフゥーフゥー言いながら自分を落ち着かせながらトワを睨んでいた。


 トワはこれ以上は面倒なので話をさっさと終わらせて帰るために話を進めようと女王に用件を聞く。


「さて、私は何故ここに呼ばれたのですか?」


「トワ殿に会わせたい者がいるのです」


 答えたのは公爵だった。


「会わせたい者とは?」


 ずっとトワの事を睨んでいた女王がニヤリと笑う。


「直ぐに会わせてやるわ!」


 その瞬間から殺気のこもった気配がトワは後ろの方に感じた。


(ん?一人か、誰だ?それにしても隠密持ちだな)


 そんな事を考えながら平静を装って話を続けて、ここで大事な事を思い出した。


「そう言えば、このあと食事を用意しているとか。それは俺のパーティーの二人の分も用意しているのでしょうね?」


 クラインが前もって確認してくれているが自分で確認しないと納得が出来なかった。

 クラインに流石に悪いと思い横を見ると俺の気持ちがわかるらしく笑顔で頷いていた。

 その笑顔を見てクラインは怒ったり笑ったりと起伏が激しいなと思った。

 トワの質問を聞いた女王は笑顔でもなく怒って睨んでるでもなくただ無表情で答えた。


「勿論じゃ。妾は奴隷だとかで人を判断したり差別をしたりはせん」


「そうですか。それはよかったです」


 女王を見直した。

 すると、少しずつ近付いていた気配が後ろまで来た。


「喰らえ~!」


 せっかく気配を消して近付いたのに叫びながら剣を振りかぶって襲ってくる。

 しかし、剣が振り下ろされる事はなかった。


「アイリ!リーネ!・・・・やめなさい」


 トワは剣を硬化で受け止めるつもりで動かなかったら、アイリとリーネが相手が剣を振りかぶった瞬間に殺す気で攻撃をしようとしていた。

 トワは振り向かずに少し威圧の波動を使い叫んびギリギリのところでアイリとリーネを止める。


(それにしても、アイリは気配察知があるからわかるけど、リーネは何で気付いたんだろ?そう言えば、女王も気付いていた感じだったな。隠密じゃないのか?)


 そんな事を考えながら周りを見ると、後ろのアイリとリーネに向けて威圧の波動を放ったので女王は大丈夫だが、波動の余波で後ろの方にいる兵士達は腰を抜かしたり、酷いものは気絶していて惨状が広がっていた。

 トワはそこから目を離して剣を上段に構えたまま、アイリの短剣を喉にあてられリーネの拳を顎にあてられている奴を見ると、少年だった。

 アイリとリーネに短剣と拳を下ろすように言って、少年に話をかける。


「おい!ガキ、死にたくなかったら俺の質問にきちんと答えろ」


 そう言うと、少年は震えながら激しく首を縦に振る。


「お前は誰だ?何が目的だ?」


「シェンヤです。・・・ごめんなさい。力量が知りたくて、それにしてもこの二人凄く強いですね」


「ん?お前は俺が女王をガキだと言った事に怒ったんじゃないのか?」


「え?違いますよ。俺はシアじゃなかったメリトス様達が、呼んだ冒険者の腕を試してみろって言ったからやったんすよ」


「ほほー、」


 トワは振り返り壇上にいる王女をみる。


「違うのじゃ、ただ、お主の力が知りたかったのじゃ!それに、不意打ちをしろとは言っておらん」


 女王は勇者さえ赤子を捻るように手玉にとる奴隷二人を見て、その二人よりも遥かに強いと言われるトワの事が恐ろしくなり慌てながら釈明をする。


「まあ、それはいいとして、何なんだこいつは」


 斬られても怪我さえしないと思っていたのでそこを掘り下げるのはやめて、女王が信頼をしている感じの少年の正体が気になって面倒に巻き込まれそうな感じがしたが聞いてしまった。


 女王は胸を張り満面の笑顔で答える。


「聞いて驚け!其奴こそ現在の勇者じゃ!」


「・・・・勇者!このガキが!」


 驚いたのはトワだけではなくアイリとリーネも驚いて二人は口を開けたまま固まっていた。


 少年を見ると偉そうに胸を張り仰け反っていた。


「どうじゃ、凄いであろう!そこで、お主に頼みがある」


 女王は真剣な顔でトワに向かって言った。


「何ですか?」


 面倒ごとに巻き込まれそうな気配が強くなる。


「お主に勇者を鍛え「断る!」て、パーティーメンバーに・・・」


 女王の話に被せて拒否をする。

 

「何故じゃ、それに、話を最後まで聞いてくれても良いではないか!」


 女王はまるで玩具を買って貰えずに駄々をこねる子供の様に椅子の上で手足をバタつかせている。


「どうせ、勇者が城の兵士よりも強くなってしまったから相手がいないので俺にその相手をさせる気だろ!しかも、勇者とパーティーを組ませて魔王を倒してこいとか言うんだろ!ふざけんな。面倒くさい」


 女王がビクッとなって俯いて唸っている。


 公爵が見かねて提案をする。


「ならば、この場でトワ殿とシェンヤ殿で一対一の勝負をしてはどうですかな?冒険者ギルドへの正式依頼として受けていたたけますかな?」


 公爵は俺ではなく俺の横にいるクラインに向けて言った。

 クラインはニヤリと笑い、


「わかりました。冒険者ギルド本部のギルドマスタークラインがその依頼を受理しましょう」


「何を俺抜きで話を進めてんだ!」


「勿論、報酬はだしますぞ。受けていただければ白金貨1枚トワ殿が勝ったらプラスで白金貨5枚を払いましょう」


 お金は使いきれないくらい屋敷にあるので断ろうとしていたら俺が断る前にアイリが、


「その依頼受けます」


 何故か怒り気味で答えた。


「アイリ?何で受けてんの?それに、何を怒ってるの?」


「この少年はトワ様にたいする敬意がなさすぎます。痛い目にあうべきです」


 勇者の態度に怒っていたらしい。

 アイリの為と思えば面倒事も少しはやる気がでる。


「わかりました」


 トワがそう言うと、少年は剣を構える。

 トワは謁見の間に入る時に装備を外してアイテムボックスに仕舞っていたので、確認をしていると剣が折れていて無い事に気が付いた。

 取り合えず訓練用の剣を借りて装備は着けずに剣を構えずに立つ。


「トワ様?防具は宜しいのですか?」


「ダークドラゴンの装備なんて、それだけで差がありすぎるだろ。」


 そう言ってアイリを一撫でして少し前に出るとトワと少年から、アイリとリーネを含む全員が少し離れる。


「何時でも良いぞ。かかってきな」


 周りが十分離れた事を確認をして、そう言い放つ。


「では、いきます!」

 











 










 

 次も少し遅くなります。


 本当にごめんなさい。

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