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強敵?

 だんだんと内容が短くなっている気がする。




(あれ?威圧の波動が効かなくなったぞ?) 


 そんな事を考えながら声のした方を見ると、3メートル位の大きさで両手で持つ様な斧を肩に担いでいる髭モジャでガチムチのオッサンが空に浮いていた。


(援軍か?)


 などと思ったが奴の声で魔獣が反応した事と大きさもそうだが肌の色は黒く目は赤く光っていた。

 トワはそれが人間では無いと確信して、一瞬緩んだ気持ちを引き締め直して威圧の波動が効かなかった事は後で考える事にして剣を構える。


(遠すぎて鑑定が届かないが、奴の纏う気配で強敵とわかる!)


 背中に流れる汗を感じながらアイリとリーネに叫ぶ。


「アイリ!リーネ!ここを任せる!俺はアイツを殺る!」


「トワ様!私....」


 アイリは自分も一緒に行くと言おうとしたが、トワのただならぬ雰囲気と気配察知で感じる強さに、自分では足手まといになると感じて歯を食い縛り悔しさを圧し殺して、


「・・・わかりました。ここは私達二人に任せてください」

 

 アイリは強く頷く。


「ご主人様~いってらっしゃい」


 リーネは軽い口調で手を振りながら言う。


(リーネは緊張感がないな~)


 など考えていると体がほぐれて、自分が随分と緊張していた事に気付く。

 

(まさか、リーネは俺の緊張をほぐす為にわざと・・・・無いな)


 そんな事を考えながら二人に頷いて空に浮いている奴に向かい気付かれ無い様に巨人達のあいだを縫う様に隠密を使いながら走って近付く。




 奴の真下辺りまで着いて上を見上げて鑑定をする。




バラー (下級魔人) ランクSS

HP:40000/40000

MP:19800/20000

STR:20000

DEF:19500

INT:16000

DEX:14000

AGI:8500

LUC:30

スキル:

斧術Lv4

格闘術Lv4

統率Lv3


特殊スキル:

飛行


ユニークスキル:

破滅の魔眼





《統率=多くの味方を率いて戦う事が出来る。

 率いる数はレベルによって決まる。

レベル1は100人以下を同時に率いる。

レベル3の場合は2万以下を率いて更に、味方の異常状態を解消する事が出来る》


《破滅の魔眼=相手の目を見ることで発動出来る。

 MPを使用して、使用した分を相手のHPにダメージを与える》



(強い上にヤバそうなスキルまでありやがる。俺の威圧の波動が効かなくなったのは統率の影響かな)


 考えをすぐにまとめて最初の攻撃を下から勢いをつけて飛び、突き刺すつもりで力をためる。

 

 武器に魔力こめてジャンプして地面にクレーターを作りその勢いのままバラーに突っ込む。

 しかし、バラーの斧に阻まれた。


「なんだ貴様は?」


 バラーは片手で振った大きな斧でトワの剣を受け止めながら楽しそうに言った。

 力が負けているために押し込めない。


「ちっ!」


 トワは力負けしているため、飛行のスキルで空を飛びバラーから距離をとる。

 

「我が名はバラー!魔人族の末席を汚すものだ!貴様は何者だ!」


 バラーは斧を肩に背負い直して胸を張り威厳たっぷりに自己紹介をしてトワの名前を聞いてくる。

 

「俺は冒険者の人間のトワだ!」


「人間?先程の一撃の強さ、しかも空を飛ぶ人間だと!ハッハッハ!愉快愉快!」


 バラーは大口を開けて笑いだした。

 トワは話が通じる事を確信してバラーに話をしてみる。


「この都市から手を引いて貰えないか?」


「それは出来んな!我はこの都市を落とせと命じられているのだ!」


 バラーは笑っていた口を閉じて真剣な顔で言った。


「お前より強い奴が来ているのか?」


「来てはおらんさ」


「そうか、」


 トワは少し安心した。

 バラー以上の奴が今来たら確実に殺される。

 トワがバラーをどうやって倒すか追い返すかを考えていると、バラーがニヤリと笑う。


「この都市を救いたければ我を倒すことだ!」


 バラーの纏う空気が明らかに変わった。

 トワは剣を構え直しす。


「殺してやるから覚悟しろ魔人!」


「やってみろ!人間!」


 言葉とは裏腹に、ゆっくりと少しずつ、しかし確実に互いの距離を詰めていき、トワはバラーの攻撃範囲のギリギリで止まる。

 バラーは体もデカくしかも、武器は両手斧なのでトワの剣より長い為に攻撃範囲が広いが、トワも一歩踏み出せば攻撃を当てられる距離なので全く問題ない。

 バラーもその事に気付き斧を片手で構えたまま動きを止めた。



 少しの沈黙があった後お互いがニヤリと笑い、


「ハァァー!」

「ウォォー!」


 同時に仕掛ける。

 凄まじい攻撃の応酬が始まった。


 力押しで来るバラーの攻撃をトワは速さとテクニックで躱わし隙間を縫って攻撃を仕掛ける。


 一進一退の攻防が続く。


 バラーが斧を降り下ろせばトワが剣で受け斜めにして受け流す。

 受け流した剣で体勢の崩れたところを横凪ぎに斬りつけると、バラーは降り下ろした勢いのまま斧を持ち変えて斧の柄の部分で剣を弾く。

 横凪ぎに来る斧を少し後ろに跳んで紙一重で交わして、着地と同時に空を蹴り横に凪いだ為にがら空きになった体に剣で突きに行くが、横に凪いだ勢いのまま体を捻り蹴りが来る。

 それを寸前の所で止まり躱わす。



 そんな攻防がしばらく続くと力負けしているのでジワジワとバラーの攻撃が増えてトワの攻撃が減っていく。


(やばい、このままじゃあジリ貧だ!何か手は無いか?)


 そんな事を考えていると、いつの間にか攻防の中で互いの位置が変わっていたらしく、バラーの後ろの遠くにアイリとリーネの姿が見える。


 アイリもリーネも苦もなく巨人達を倒していく。


(さすがアイリだ、敵の隙間を縫って走りながら一撃でどんどんと倒している。 リーネも凄いな、離れている相手を倒したり、殴った相手の体にデカい穴を開けるとかマンガの世界だな。まるで気・・・巧!)


 トワは中二病だったのでよく色々なマンガや胡散臭い本などを読んでいた。

 その中に古武術の事を書いてある本を読んだ事かありその中に気功についての説明もあった。

 よく家の電灯の紐や布団を丸めた物に本を読みながら出来もしないのに練習した事を思い出した。


(そうだ、確か生き物の体は殆んどが水分だからそこに気を当てて体の水分に波紋を起こすんだ。

 小さな波紋もやがて大きな波紋になり体の中から大きなダメージを与えるとか書いてあった気がする)


 しかし、バラーはトワに考える暇など与える筈もなくトワは攻撃を喰らってしまった。

 それでも今までは、考え事をしていてもギリギリで交わしていたが、トワの気が少しそれた瞬間に攻撃に緩急や変化をつけてきた。

 

 喰らったのが斧の方ではなく柄の方だったのが幸いして肋が何本か折れる程度ですんだ。

 痛みや怪我は直ぐに自己再生で治る。

 トワは痛みを耐えながら左の脇腹に食い込んでいる斧の柄を直ぐに掴み右手で攻撃を仕掛けると、バラーは自分の左腕でガードした。

 トワはバラーの左腕を斬りつけるが骨が硬くて斬り落とす事は出来なかった。

 バラーは右手一本でトワを弾く。


 弾かれて少し距離ができ互いに息を整える。


「やるな!人間!」


 斬られた自分の左腕を舐めながらバラーが言う。


「あんたもな!」


 トワは息を整えながら左手に魔力を集める。

 気が付かれたら終わりなので慎重に少しずつ溜めていき十分溜まった時、今度はトワから仕掛ける。


 剣を振り交わされ、斧を交わすを暫く繰り返してバラーに隙ができるのを待った。

 その時、バラーがわざと隙を作り攻撃を誘ってくるのにわざと乗って剣に強めに魔力をこめて攻撃をする。

 

      ガギーン!


 剣と斧がぶつかり合いバラーは力で押し返そうとするが今までよりも強く魔力をこめている為に力が拮抗する。

 互いに押し合いジワジワと体が近付く。

 手が触れられる距離まで来た時に、魔力をこめた左手をバラーの体に当てためた魔力を叩き込んだ。


「喰らえ!鎧通し!」


 そんな名前が書いてあった気がするのでそれを叫んでみた。



「グブッ!」


 バラーは吐血して動きが止まる。

 トワはそれを見逃さずに剣を振るがバラーの顔を斬ると折れてしまった。


「人間が!」


 そう叫んで、まだ倒れないバラーと目があった瞬間に、


「ゴフッ!」


 トワも吐血した。

 一瞬、何が起こったか分からなかったが直ぐにバラーに攻撃された事に気付き距離をとる。


(何が起こった?)


 距離をとりバラーを睨みながら考えを巡らせる。


(そうか!魔眼だ!)


 魔眼の事を忘れていた事を思い出して、自分の甘さに悔しさが込み上げる。

 

 しかし、バラーも瀕死の状態だ。

 トワの方は傷がだんだんと治っているが、完治するまでバラーが待つ筈もなくトワとバラーは臨戦態勢をとる。


「人間!これが最後だ!」


「ああ!今楽にしてやる!」


「ぬかせ!  行くぞ!」


「「ウォォォォォ!」」


 二人は同時に空を蹴り向かっていく。


 



 




 

 



 もっと頑張ります。

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