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次の都市?

 短いですが、何とか今日中に更新出来ました。

 町に着いて、宿に泊まって、朝になった。


「テンプレはどうした~!」


 目を覚ました瞬間に俺は叫んだ。


「こう言うのは普通、王都に行くのを暗殺者とか雇って邪魔する奴とかいるもんじゃ無いのか!」


 トワは何も起こらない旅に飽きていた。


「トワ様、どうしました」


「ご主人様、あと五分...むにゃむにゃ」


 アイリとリーネとは勿論一緒に寝ているので、トワが朝から叫んだ事で起こしたらしい。

 リーネは寝惚けているが。


「アイリごめんね、なんでもないよ。少しストレスが溜まってたみたい。それとリーネ、朝食を食った出発するから起きなさい」


 そう言って、ベットから出て着替えを始めるとベットの上で少し考え込んでいたアイリが、


「そうですよね、溜まってますよね、じゃあ、今日は出発せずに宿で.....キャッ、!」


 顔を赤くして両手を頬にあてて、クネクネしながらブツブツとトワの聞こえないような声で喋っていた。


「二人とも早く着替えなさい」


 「は~い」


 アイリは何か残念そうだ。


「ふぁ~い」


 リーネはまだ眠そうに目を擦っていた。


(リーネは始めての冒険者としての活動でこの遠出だもんな仕方ないか)


 そんな二人の着替えを待って朝食を食べて門に向かう。




 門の所にいた兵士に挨拶をして、


「次の町はどれ位でつきますか?」


「次の街はここから馬車でなら今日の夜にはつくだろうが、徒歩だと明日の昼頃だな」


「遠いですね」


 などと雑談をして門を出て歩いていく。


 道中は歩くだけで何もすることがない。

 何故ならアイリとリーネが自分達で十分だと言って、トワが手を出そうとするとアイリが休んでいてくださいと、何故かトワが怒られる。






 だいぶ進んだがやっぱり街につく前に森の中で夜になった。


「急げば街に着くと思ったがやっぱり無理だったな」


「当たり前です」


「お腹が空きました」


 アイリはまだまだ元気だが、リーネはお腹を擦りながらフラフラしていた。


「そうだな、夜営の準備をして飯にしよう」


 飯と聞いた瞬間にリーネの動きが速くなりテキパキと準備をして、唖然とするトワとアイリをよそに準備が直ぐに終わった。


「ご主人様!御飯です」


 準備をさっさと終わらせたリーネが期待した目でトワを見ていた。

 トワはリーネにアイテムボックスから調理された飯を渡すと凄い勢いで食い始めた。

 飯は勿論、ガインが用意してくれた物をアイテムボックスで保管していたものを出しただけだ。

 トワも火をおこしてリーネの横に座りアイリをトワの空いている方の横に座らせて三人で並んで飯を食べた。



 飯を食べ終わりトワはこの世界の地図を見ていた。


「次の街が、ロンペイって言うのか。それにしても、この地図は空白が多いな」


 などと、トワが呟いているとアイリが肩を寄せて、


「前々から思っていたのですが、トワ様は常識に疎いと聞いて他国の方なので、この国の常識に疎いのだと思っていましたが、この国どころか、全ての国の子供でも知っている様な事まで知らないのは何故ですか?私の知らない国なのですか?」


 アイリが随分と良いところを突っ込んできた。

 トワは誤魔化そうと思ったが、アイリの凄く真剣な顔に俺は話すことを決めた。



「実は、俺はこの世界と違う所から来たんだ」


 トワが真剣な顔で話し始めたがアイリは首を傾げて、


「違う世界とはどこですか?何と言うところですか?」


 もっともな意見だった。

 この世界の人は自分の世界の名前も知らない。

 それはトワも同じで、いざ元の世界の名前を聞かれても知らなかった。


「えーと、この国や、他の国よりもずっと遠いところだよ。名前は俺もわかんないや」


「遠くですか、どのくらい遠いのですか?」


 トワはふと、勇者の絵本を思い出した。


「そうだ、アイリは勇者の話を知ってるよね?」


「はい勿論です」


「その勇者と同じで、異世界から来たんだよ」


「えっ!でも、あれはお伽噺ですよ」


「でも、勇者の子孫がいるって事は過去に本当に来たってことだよね」


 アイリは驚いて目を見開いている。


「確かにそうですが、かつての勇者は異世界から来たと言ったそうですが、それが何処にあるのかも何と言うところかも言えなかったそう.....トワ様と同じ様に....」


 アイリは暫く悩んで、


「じゃ、じゃあ、ト、トワ様は、ゆ、勇者様なのですか!?」


 アイリが叫ぶとトワの足を枕にして寝ていたリーネが起き上がって、


「勇者がトワ様なのですか?」


 と、目を瞑ったままトワの方を見て言った。


「リーネ、何でもないから寝てて良いよ」


「ふぁい、おやしゅみなしゃい」


 またトワの足を枕にして眠った。

 そんなリーネを見てからアイリを見て首を横に振った。


「違うよ。勇者ではないけど、同じ様なものかな」


 それからアイリにトワが神の間違えで死んでこの世界に来たことを話した。


「では、神様に感謝をしなければなりませんね」


 そう言うと、アイリは空に向かって手を合わせた。


「なんでだ?」


 トワが聞くと、


「神様が間違えたおかげでトワ様に出逢えたからです」


 そんなアイリが可愛くて抱き締めた。


 そのあとも暫く話をして、


「アイリ、寝て良いよ」


 アイリは目を擦りながら、


「大丈夫です。トワ様に見張りをさせるわけにはいきません」


「アイリは優しいな。でも、明日も歩くんだから寝な。俺の足を枕にして良いから」


「でも、」


「俺は大丈夫だよ。昼間アイリ達のおかげで楽をさせてもらったからね」


 アイリはしぶしぶといった感じで、


「わかりました。申し訳ごさいませんが失礼します」


 トワの足に頭をのせた、すると、アイリはみるみる笑顔になる。

 トワはアイリが寝たのを確認すると気配察知を使ったまま目を閉じる。


 気配察知はレベルが上がったことで一定の距離内を寝ていてもわかるようになった。














 

 トワがアイリと話をしていた同時刻に魔王城の一室にまたラボラス達が集まっていた。


「ヨトゥン準備は良いんだな」


 ヨトゥンと呼ばれた巨人が頷いた。

 今日は夜と言う事もあってヨリとコリは部屋で寝ていて姿はなかった。


「それでは、今回の賭けをしよう。攻める都市はパースト国の領内にあるロンペイだ。ロンペイは王都から半日でたどり着ける街だから、もたもたすれば王都からの援軍に挟み撃ちにされる危険がある。それを考慮して、今回の戦いは魔獣軍が勝つかそれとも人間が勝つかどちらだと思う?」


 暫くラボラス以外全員が考えて答えを出した。



「ほ~、俺とアンドロ以外は皆魔獣か」


 それを見てラボラスはニヤリと笑った。

 実はラボラスはここ数日トワの様子を千里眼を持つアンドロに報告させていたためにトワが近くにいることを知っていた。

 アンドロも同じで様子を見ていたために今回はラボラスと同じで人間に賭けていた。


「所でアンドロ、勇者はどうした?」


 全員の耳が動いてアンドロの言葉を聞いていた。


「現在勇者はパースト国の王都にいます。しかし、今回は参戦しないと思います」


 ラボラスは疑問に思って聞いた。


「何故、参戦しないと思う?」


「今回は巨人族が攻めるので乱戦になると思います。なので、まだ経験不足で咄嗟の判断が出来ない為に万が一にも死なれては不味いので、今回の参戦はないと考えます」


 アンドロの答えに全員が納得した。


「して、ヨトゥンよ、いつ頃から攻める?」


「既に転移結界で向こうに送ってありますが、なにぶん巨人族は足が遅いので明日の昼前には攻め始めます。それと、ゴブリンとオークを巨人がつくまで先に行かせて早めに始めます」


「わかった。それまでは休憩とする」


 その言葉で全員が部屋を出ていった。









 次の日トワが目を覚まして、アイテムボックスから朝食を出してアイリとリーネを起こして街を目指して出発する。

 






 暫く進むみ昼頃に森を抜けた。

 森を抜けた先の草原に街はあったが、数えきれないくらいの魔獣に襲われていた。


「なんだこれは?魔獣の侵攻?ペルイトが落ちたのか?」


 トワはその光景に驚いていた。

 アイリは驚きながら俺の疑問に答えようとしていた。


「そんなわけありません。もしペルイトが落ちたのなら私達の後ろから来るはずです」


「そ、そうだよな、じゃあこれはなんだ?」


「すいません。私にもわかりません」


 すると、リーネがトワ達がいる場所からロンペイの街を挟んで反対側の丘の上を指差して、


「ご主人様、あそこに人がいっぱいいる」


 トワもそこをよく見ると確かに人がいた。


「訳を知ってそうな奴等に聞きに行くか」


 そう言って、魔獣の軍勢を迂回して反対側の丘に向かった。









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