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不確かな生命(Unreliable Existence)
「死」
我々は"死"
其れ自体を
恐れている
訳では無い
自分自身が
世界に対し
何も出来ず
自分自身に
何の価値も
持てぬまま
終わる事を
恐れている
故に我々は
歩み続ける
其の生命が
尽き果てる
其の一瞬まで
世界に自分の
存在を刻む為
自分という
唯一無二の
存在証明を
勝ち得る為に
「不確定存在証明」
僕がここに
要るという
存在証明は
果たして有る
のだろうか
この世界が
誰かの夢の
中だとして
"僕"という
存在自体が
儚い一瞬の
夢の揺らぎ
で無いという
否定証明を
誰が出来る
というのだ
その誰かが
今この瞬間に
目覚めたなら
この世界は
消え去って
しまうだろう
当然その中の
僕も君も皆も
消え去って
しまうだろう
それはつまり
僕らの存在に
何の意味も
無いという
事であって
"今"を過ごす
意味が無い
という事では
ないだろうか
不確定な仮定
だけれども
誰がこの仮定
と結論を否定
出来るだろう
そう
誰も居ない
誰も、ね……