一目惚れ 続
短編「一目惚れ」の友人視点です。
超短いです。
目の前で何が起こったのやら。
ちょっと待って。いきなり何事??柚子が立ち止まって、その視線の先には見たことのない一年生がいて。
ちなみにわたしと柚子は友達2年目に突入したばかり。名前が『ゆいこ』と『ゆずこ』で似ていて、なんとなく話すようになったという間柄だ。
と、そんなことはどうでもいい!
件の1年生がぽつりと『一目惚れって信じますか?』だって。「なにそれ」って言おうかと思ったらば、隣で動く気配。
顔を向けたら柚子がその言葉に頷いていた……顔を真っ赤にして。
帰る時間帯だったから、同級生たちが注目している。わたし関係ないのに超恥ずかしいんだけど!!
「ちょっ……ねぇ柚子。どういうこと?え、告白なの、今のって!」
思わず口から飛び出した単語。そうだ、これって告白だ!
マズいかも、と思った時にはすでに遅し。囃し立てるような声が四方から飛び交い始めていた。その中央に立ち竦む張本人の二人は、顔を真っ赤にしたまま俯いてしまっている。
よーく見ると男子は赤ライン。一年生だ。
入学してまだ1か月ほどだし、今の今まで柚子に色恋らしいものは感じなかったのに、いったい一日で何があったのよ―――!
「とりあえず、ここから離れるよ!」
大きな声で宣言すると、わたしは二人の手を取って中庭に向かって走り出した。
とどのつまり……柚子が校庭を眺めていた。
一年生―――高崎真が走っていた。走ってる途中に顔を上げたら柚子が見えて、ダラダラと走ってるかっこ悪い姿を見せたくなくて猛ダッシュ。
そのあと、もう一度顔を上げて柚子を見たら目が合った(と真は主張している)。
けど、柚子が顔を背けたのでショックを受けた。
なぜショックを受けたのか分からなかったけど、もう一度絶対会いたいと思ってHR終わってから2年生のエリアに突撃してきたってわけだ。
校庭から見えてた窓の位置から教室を割り出したという。お前は探偵か。
そして直接間近くでお互い顔を合わせて……一目惚れってなにそれ。
あれから二人は自己紹介をして、ぽつぽつとお互いの事を話してる。赤い顔して、それでも身を寄せ合うようにして。すでに空気は桃色だよ。
あーーー、わたしも恋したーい!
ぽつぽつと書けるので、この子たち可愛いかも。
と書いてから思いました。