叫び
もう、やめて……!
「あはは」なんて笑って、こっちを睨まないでよ。
蔑んだ瞳で、こっちを見ないでよ。
そんな風に、あからさまに避けないで。
引き止められなかった、あなたが悪いんでしょう?
私はあの子に勝ったのに…。
私は目の前の幸せを手にしただけなのに…。
どうして?
どうしてこんなに、辛くて苦しくて切ないの?
罪悪感しか抱えられない私は、どうすればいいの?
謝っても無駄なら、何をしても無駄なら。
手放せと言うの?
返せと言うの?
手に入れたばかりの、幸せを…?
もう、嫌だよ…!
私を責めないで…!
「泣きたいのはあの子でしょ」なんて、言わないで…!
そんなのわかってる!
そんなの…わかってるよ……。
泣くことは許されない。
本当に辛いのは、他でもなく、あの子。
笑う事も、何をすることも許されない。
胸に渦巻く感情を、どうしていいかわからなくて。
どうしようもなくなってるのは、あの子のほうだから。
あぁ…、何も見えなくなってきた……。