第3話 いざ、出陣
※投稿後、一部名前を修正いたしました。
部活動紹介の翌日、私と伊織は吹奏楽部の体験入部に来ていた。
「めいめい、ドキドキしてる?私ちょっと緊張してる〜」
「いおりんが緊張するの意外。私は体験だし気楽に行くよ。」
あれから、グイグイくる伊織のおかげで少し打ち解け、気負わずに会話ができるようになっていた。
「めいめいのつよつよメンタル羨ましい〜!あ、音楽室あそこだ〜」
緊張でクネクネしている伊織と話していると、校舎の端にある音楽室の扉が見えた。近づくと扉が開いて、先輩と思われる女性が立っていた。
「あら、1年生?来てくれてありがとう。先輩方〜体験の1年生来ましたよ〜」
こちらに優しく微笑んだ彼女は、おそらく2年生だ。背が高く美形で、格の違いを見せつけられているようだ。入学してからそんなことばかり考えている気がする。
「お、1年生きた〜!ありがとう!奥の方の椅子に座って待ってて!」
音楽室に入ってきた私たちに声をかけたのは、部活動紹介でアナウンサーのような司会をしていた先輩だ。立ち位置を見るに、おそらく幹部なのだろう。あそこまで洗練された喋りをしていたのだから当然と思うと同時に、少し安心した。
やがて、30名ほど1年生が集まり説明が開始された。また、喋りが上手い先輩が喋り出した。
「改めまして、体験入部に来てくださりありがとうございます!部長をしています、クラリネットパートの南雲桃花です。よろしくお願いします。」
あの先輩はどうやら部長だったようだ。オーラもあったし、納得だ。続いて、周りの先輩も話し出した。
「副部長をしているトロンボーンパートの山吹 京です。よろしくお願いします!」
気が強そうな先輩だ。いかにもリーダーという感じだ。高校の先輩もああいう人は怖いのだろうか。
「同じく、副部長の吉川いろはです。コントラバス、やってます。よろしくお願いします。」
無表情な吉川先輩は、自分と似たものを感じる。ただ副部長になるような人には見えないともいえる。
2人が話し終わると部長の南雲先輩が話を進めた。
「以上が現在の吹奏楽部の幹部です。体験で何かあったら、相談してください。続いて、顧問の紹介です!」
南雲先輩がそう述べた後、スクリーンには優しそうな男性が笑顔で両手をピースしている写真が映し出されていた。
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