表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/25

第2話 いおりん

堺田芽衣(さかいだめい)

山桜(やまざくら)高校に入学した1年生。クラリネットパート。落ち着いた印象を持たれるが、感情の起伏は人並み。


堀田伊織(ほったいおり)

芽衣のクラスメイト。オーボエパート。

ふわふわキラキラ女子。




「堺田さん、さっき自己紹介で吹奏楽部だったって言ってたよね!楽器何やってたの!?私オーボエ〜!」


 目の前にいるふわふわした女の子は、おそらくクラスメイトなのだろう。

「あの、すみません。お名前、何でしたっけ…」

「堀田伊織!ぜひぜひ、いおりんって呼んで!」


 いきなりハードルの高いあだ名呼びを笑顔で提案してくる彼女は、自分とは違う人種なのだと感じる。

「伊織さん、ですね。私は中学時代はクラリネットでした。」

「クラか〜!おんなじ木管だし親近感湧いちゃうな〜!ねえ、吹奏楽部の体験入部一緒に行かない?1人だとちょっと寂しくて。」

見かけによらず、伊織は寂しがりやらしい。吹奏楽部を見に行くことはなんとなく決めていたので、こちらとしては願ったり叶ったりだ。

「もちろん。私で良ければ。」

「やった〜!ありがと〜めいめい!助かる!」

独特の距離の詰め方。愛らしい姿からか、不思議と悪い気はしなかった。


「めいめいは、誰か他に吹奏楽部入りそうな知り合いいる?」

「いえ、誰も。伊織さんは?」

「他のクラスに、他校で吹奏楽やってた知り合いがいたんだけど、高校で続けないらしくて〜。吹奏楽強いところにいたから、てっきり続けるものだと思ってたんだけど」


 強い中学に所属していたが、高校では続けない。よく聞く話ではあるが、何故だろうか。強豪校であれば、それなりに技術や達成感は得られているはず。より高みを目指すことはせず、中学まで熱を注いでいた部活を辞める。やはり、ハードな練習というのは心を削るものなのかもしれない。いや、頑張りたいと思っている人はもっと強い高校に進んでいるのか。


「だから、私も1人!ぼっち同士仲良くして〜!」

「こちらこそ、伊織さんがいて嬉しいです。」

「堅苦しい〜!いおりんって呼んでよ〜」


その日は彼女のいおりん呼び矯正を受けながら、放課後までの時間を過ごした。


ご覧いただきありがとうございます。

毎日22時までに3エピソードずつ更新しています。

感想・レビューなどが励みになります。お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ