店員とゴスロリ少女と押し入れと
本当に…どうしよう。
今俺はマリナとヴァルスの間に立っている。どうにかして2人の喧嘩(?)を止めようと思い間に入ったのはいいものの……当たり前だが2人が辞めてくれない。最初から期待なんてしてなかったけどさ!!マジでコレどうやったら辞めるんだよ……
「お前らいい加減に辞めろよ!!」
小学生かよ。そんなツッコミが飛んできそうなセリフを吐き俺を挟んでいる両方を顔を見る。いや、睨む。
「いや、すまなかったね。一旦逃げるとするか…マリナ君がとても睨んでくるからね…!」
そう言ってヴァルスは煙のように消えていった。いや、煙になった。
「マジシャンかよ…」
「あいつの魅了は煙系統なのよ…厄介なのは概念にもモヤをかけられるのよね…特定のワードにモヤをかける事だって出来るのよ…勿論モヤがかかってる時は書く事も出来ないのよ…今だってほら__。ね?」
「なるほど、つまりあのヴァルスっていう奴は要約すると敵なんだな?」
「え、すっごい要約したわね…まぁ…そういう事よ。」
2人で話し合っていると、急に店員が話しかけてきた。
「あの…もうお帰り下さい…これ以上あなた方がここに居ると他のお客様に迷惑がかかってしまうので…」
「うわぁぁすみません!!すぐ出ていきます!」
慌てて辺りを見回すと倒れたテーブルとイス。マリナが投げた割れたティーカップなどが散乱しており、俺の頼んだ紅茶も零れている。早くここを出ないとまずい事になるだろう。一刻も早く退出せねば!!!
「マリナっ行くぞ!!」
「え!?ちょ、ちょっと待ってください!そんなっ!強引に引っ張られても…マリナ困っちゃいますぅ…/////」
「何遊んでんだよ!?!?」
そんな事を言い合いながら全力ダッシュする。こいつは本当にめんどくさい奴だ。
「「はぁはぁ、、はぁ……」」
とある室内のベンチ。俺とマリナは疲れ果てていた。マジ…もう動けん…
ふと気が付いた。何か忘れてるような……あれ?
「俺、エナドリどこ置いてきたっけ?」
「ま、じ、か、よぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!まだ就職もしてないのに3000円無駄にするとかマジ何やってんだ俺ぇぇぇ!!」
「うるさい、近所迷惑でしょ…」
いつの間にか消えていたエナドリ、近所を探しまくったが結局見つからなかったので、また最寄のスーパーで同じものを買った。おかげで3000円が無駄になったが…それは…まぁ良くないが良いんだ。問題は……
「あのぉ…いつまで俺ん家にいるんですか?そろそろ帰って欲しいんですが……?」
「は?だから何回も言ってるじゃん、私、ここに居候する。」
これだ。マリナが居候すると言ってこの家から出ようとしない。ただでさえ金がない今!!2人分の生活費は無い!!!どうにかして追い出さなければ……
「安心して、私ほとんど食べなくても平気だから。」
いや、少しドヤ顔でこちらを見られても…。
「『ほとんど』だろ?どれぐらいの頻度でいるんだよ。」
「2週間に2回…?だから1週間に1回か…」
マリナは指で数えながら答える。
「結構頻度多いじゃねぇかよ…でもまぁ、1日3食×365日よりはましか……」
「それに、まだ『契約』してないですし!!」
前かがみになって言う。
「お、おぉ…だがな、ダメなもんはダメなんだよ…それにしても俺ん家1LDKだぞ??どこにマリナの部屋…が…」
喋ってる途中にマリナが部屋の隅を指すのでそっちを見てみると……
そこには、押し入れがあった。
「えマジ?」
マジです。と即答で返ってきた。
「いや、いや、いやいやいやいや!!見つかったら俺が虐待で捕まるんですけどぉ!!!」
「大丈夫よ、見つからないわ。」
どこからその自信が………そんな事を考えていると、よいしょと押し入れの中に入って「じゃ、今日はもう遅いから泊めてもらうわね?」と言い残し扉をピシャリと閉めた。
もうなんなんだ今日は…マリナは…ヴァンパイアは…とにかく疲れた…………明日起きたらまた就職探しをしないと……
段々目が重くなっていき、視界も狭くなっていく。
どうせなら……マリナも、ヴァルスも、今日あった事全てが夢でありますように…そうすれば…明日は…楽に…活動…で…き…r……………。
遅くなってすみません!!仕事がまだ慣れてなくてですね!!!
次から頑張ろうと思います!!!