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君は儚い高嶺の花  作者: アニザック
1年目〜春〜
1/1

1年目〜入学〜

 ある日を境に俺は彼女が――()()()()が好きになっていた―――


 俺は 小野寺智也(おのでらともや) 今年から城泉高校の1年として入学した。

「と〜もやっ!おはよっ!」

 コイツは幼馴染の 花咲蕾(はなさきつぼみ) 幼稚園からの付き合いだ。天真爛漫な性格のおかげで何かと人に好かれやすい上にコミュ力オバケ。

「朝から元気だな、俺はまだ眠い」

「ま〜た、夜更かししてゲーム?そ・れ・と・も〜」

「な、なんだよ!?」

 急に近づいてきて耳もとで

「えっちなこと?」

 俺は急に近づかれたこともあり赤面しながら後ろに下がる。

「お、おいっ!バカやめろよっ!」

「あれ?違った?」

 花咲は俺を小バカにするように笑った。

 クッソ、いくらそうでなくても女子に耳もとで囁かれたら世の男子はこうなるだろ!

「い、いいから行くぞっ!学校に遅れる」

「は〜いっ!」


 ―――学校に着きクラスを確認する・・・

 えーっと、俺のクラスは……おうふ……

 クラスに向かい席に着いてホっとしたのもつかの間、騒がしいのがやってきた。

「と〜も〜や〜!なんで一緒のクラスってわかったのにおいてくの〜?」

「え〜しらなかった〜(棒)」

 わかりやすくしらばっくれてみる。

「も〜嘘だってバレバレだぞっ☆」

「えへへ〜」

「えへへ〜、じゃないよ一緒のクラスなんだから声掛けてくれても良かったじゃんっもうっ」

 ぷりぷりと怒る。

「だって、入学初日にいくら幼馴染とはいえ女子と歩いてるとこ見られたらこれから俺のウハウハのスクールライフが台無しだぜ?それでもいいの?」

「いいのっ!だってともやは私の〜〜〜……」

 もじもじテレテレしている花咲の声をかき消すように

「だぁ〜〜〜〜〜〜っ!もうやめろ今日は入学式だけだし帰りにクレープでもパンケーキでも奢ってやるから言うなっ!」

「え〜、やった〜!」

 ふー、なんとか昔の()()事は言われずにすんだけど危うすぎるな

「相変わらず朝からお熱いな」

 割って入ってきたのは中学からの友人 新島友介(にいじまゆうすけ) 友人の幅も広くスポーツも万能、パッとしない俺にも話しかけてくれる所謂陽キャ。

「まさか、同じクラスになるとはな城泉でもよろしくな」

「ゆうすけくんからも言ってよ〜ともやのヤツ真面目に返してくれな〜い」

「まぁまぁ、智也は"蕾ちゃんが可愛すぎて"照れてるだけだもんな!」

 え!?なにいってんのコイツ?

「も〜お〜、ともやったら〜///」

 赤面し体をもじもじさせながら俺の背中をぽんぽん叩く。

「んなっ、やめr……」

「さっ、お二人さんイチャイチャしてないで体育館行くぞ」

「イチャイチャしてないっ!」


 ―――体育館に移動し各々の席に着く。

 入学式が始まり長い長いどこかで聞いたようなことしか話さない校長の話を聴き飽きていた頃……この学校の生徒会長の話に移る。

「新入生の皆さんご入学おめでとう、心から歓迎する」

 この学校の生徒会長、美人さんだな

「私はこの城泉高校の生徒会長の 小鴉恋夜(こがらすれんや) だ、男っぽい名前だが私は気に入っている、学年は君たちより1つ上の2年だ」

 小鴉先輩かぁ……小鴉……こがらす……なんか聞いたことあるような気がするけどイマイチ思い出せんなぁ

「そこで突然だが、生徒会のメンバーを募集したいと思う」

 生徒会のメンバー募集か……まぁ、俺には関係ない話だな

「最初は立候補者を募り次に推薦、最後は……うーん、そうだな何か催し物で決めるとするか」

 ん?もしかして、怖いこと言ってる?

「色々と面倒なので立候補者が出る事を私は願っている、私からは以上だ」

 ま、なんかめんどそうだけど誰かしらが立候補や推薦されるでしょ


 ―――入学式が終わり、ホームルームをしにクラスに戻る。

「智也、生徒会やってみろよ」

 教室に帰るや否やふざけたことを抜かすやつが1人。

「ぬかせ、俺はやらんぞ」

「なーんでだよー、面白そうじゃーん智也があの、会長さんと並んで生徒会とか……くくく……」

 笑ってんじゃねぇか

 とか、話していると教室の扉が開いた。

「は〜い、みなさ〜ん席についてく〜ださ〜い、ホームルーム始めますよ〜」

 ん?あの人どこかで……

「私は、 花咲恵梨(はなさきめぐり) ちゃんで〜す」

 花咲先生かー・・・花咲!?

 名前を聞いた瞬間、()()()の方を向いた。

「あれ、知らなかったっけ?恵梨お姉ちゃんがここで教師やってるの」

「知らなかったんだが」

 恵梨さんとは、まだ俺が5歳くらいの時に花咲家に行ってよく遊んでもらったお姉さんだ。

 随分雰囲気変わったなぁ。

「は〜い、そこおしゃべりしな〜い」

 ・・・・・・

「はい、それではホームルームは以上で〜す、みなさん気をつけて帰ってね〜」

 よし、帰るか。

「と〜もや〜、一緒に帰るよ〜」

「ちょっ、やめ、近い」

 いやいやいや、近い近い近い〜あたっちゃうあたっちゃうから!

 2人でわちゃわちゃしていると恵梨さんが近づいて来た。

「2人とも小さい時から変わらず仲良しさんですよねぇ〜」

「でっしょ〜?」

 勘違いやめてもらってもいいですか?

「あっ!お姉ちゃんもこの後一緒に帰る?ともやがクレープ奢ってくれるんだって」

 くそっ!覚えてたか……

「わぁ〜、それはいい提案なのですがごめんなさ〜いこの後、まだ仕事が残ってるんですよ〜」

「な〜んだ残念」

 俺は良かったけどな、あんまり出費がかさむと生活がしんどいから。

「それじゃ、2人とも明日からよろしくね〜」

 恵梨さんはその場を後にした。

「じゃ、俺たちも帰るか」

「うんっ!」


 ―――約束のこともあり学校帰りに街に向かう。

「ふっふふ〜ん♪」

 うれげに鼻歌交じりのスキップをしている。

「そんなに嬉しいのか?」

「ともやとデート出来て私は嬉しいよ」

 で、でーと?!

「デデデ、デートちゃうわ!」

「もうっ、恥ずかしがんなくていいよ〜」

 あれ?なんかちゃっかり腕組みに来てませんか?

「あのー、あたってるんですが?」

「ん?あててるんだけど?」

 あっ、そういうの抵抗ない方でしたかぁ……

 胸が俺の腕に密着して離れない。

「さ、行こ行こっ!」

「うおっ、引っ張るなって!」

「まずは予定通りクレープ食べに行こ〜」

 クレープ屋に着き、各々注文をする。

 クレープが届き俺は呆れる。

「お前ほんと変わったもん選ぶな」

「だって、気になったんだも〜ん」

 俺は、チョコバナナを選んだが花咲は、チョコミント。

「見た目えげついな」

「えー、美味しいよ?」

 青すぎるクレープをはむはむしている花咲を横に俺も1口、2口と食べていく。

「チョコバナナもおいしそ〜、1口ちょ〜だいっ!」

 いきなり横からかぶりついてくる。

「ちょ、おまっ、急に来るなっ!」

 避けるのが間に合わず1口食べられる。

「んっ!?やっぱチョコバナナもおいし〜」

 口周りに付いたクリームをペロッと舐め満面の笑み。

 ちょいちょいちょ〜い、関節キスとか気にしないのか、気にしない人でしたね、そうでした。

「お前なぁ、もうちょっと気にしろよ」

「ん?何を?」

「一応、俺も男なんだからさぁ」

「大丈夫っ!ともやなら信用出来るから」

 信用つったってなぁ……はぁ……

 また、青いクレープをニコニコしながらはむはむし始めたので、ため息をつき諦めた。

 それから、色々なショッピングに付き合わされた……

「あ〜楽しかった!」

「それはよ〜ござんした」

 ほんっと、疲れた荷物重い。

 花咲を家に送り届ける。

「今日はありがとう、デート楽しかった〜また行こうね!」

「はいはい、また今度な」

「また明日ね〜」

 家の扉が閉まるのを見届けてから俺も帰る。


 ―――家に向かって帰り始める。

 はぁ〜、入学初日からこんなに疲れるとわ。

 揉めている?男女がいた。

「なぁ〜、そこのねぇちゃん一緒に遊びに行かね?」

 うわ〜、可哀想にナンパされてる。

「……」

「あれ?無視?」

 まぁ、ああいうのは無視が1番だよな。

「いい加減無視されんの腹立つんだけど?」

「……」

 あ〜……まずいなぁ〜怒り出したよ、ほんと面倒臭いタイプの人間だな。

「おいっ!聞いてんのかっ!」

 ナンパ男が手を上げそうになったので、体が咄嗟に反応し止めに行こうとしたが……

「いってっ!」

 一瞬の出来事だったが、ナンパ男の方が地面に倒れている。

 あら?

「くっそ……覚えてろよ!」

 ナンパ男が捨て台詞を吐いて去っていく。

 なんだ、危ないと思ったけど自衛出来るんだな。

「……あなた……」

 ん?

 辺りを見渡したが周りには俺しかいなかった。

「俺の事?」

「……助けようとしてくれて、ありがと……」

「い、いや、結局何も出来なかったしお礼言われる程じゃ……」

 彼女は礼を言うとその後は何も言わずに去っていった。

 なんだったんだ……?

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