Ø CHOIR
レビュー執筆日:2020/11/24
●「UVERworldらしさ」は充分に感じられるが、全体的に大味な印象が。
【収録曲】
1.零HERE ~SE~
2.IMPACT
3.誰が言った
4.ナノ・セカンド(album ver.)
5.Fight For Liberty(album ver.)
6.ENOUGH-1
7.KICKが自由
8.a LOVELY TONE(album ver.)
9.7日目の決意
10.別世界
11.Born Slippy
12.Wizard CLUB
13.在るべき形
14.Ø choir
デビュー前に正式メンバーから外れた誠果(マニピュレーター・サックス担当)が正式メンバーに復帰して初となるUVERworldのアルバム。とはいえ、彼は今作以前においてもサポートメンバーとして活動しており、作風がそこまで変わったような感じはありません。様々なジャンルの音楽を掛け合わせてインパクトの強いサウンドを作り上げるスタンスは今作でも崩れておらず、彼らのこれまでの作品の延長線上にあるような印象を受けました。
歌詞に関しても、色々と明け透けで力強さや不遜さを感じさせるものが非常に耳に残ります。『誰が言った』の「そしてあれを言ったのは誰だ?『一人減らしてデビューさせろ』」は明らかにの誠果のことを歌っていますし、『ナノ・セカンド』は「その幻想のままで終わって行って 良いわけないだろう」等といったメッセージ性溢れるフレーズが特徴的。また、こういった押しの強いフレーズのみならず、『KICKが自由』の「1番の歌詞はこの曲と全く関係ない」や『Ø choir』の「人の幸せは 人の不幸の上 成り立つって? 僕がこのプリンを食べたら 死者でも出るのかい?」といったユーモアのある表現を交ぜてくる辺りは彼ららしさというものを強く感じられます。
このように、歌詞に関しては色々と興味深いものが見られるのですが、その一方で、メロディやサウンドに関しては、前2作ほどの「驚き」は感じられなかったな、という印象があります。色々と分かりやすいフレーズを聴かせてはくれますが、全体的に大味な印象があり、「インパクト」がややマイナスに働いているように感じられます。『a LOVELY TONE』や『7日目の決意』のようにメロディをじっくりと聴かせる曲もあるのですが、「ベタ」な印象が強く、物足りなく感じられるところも。
もし私が初めて聴いたUVERworldのアルバムが今作だったとしたら、最高評価を付けたかもしれませんが、前2作、特に前々作と比べるとやや見劣りする印象があるので、この評価を付けさせていただきます。もっとも、色々な意味で彼ららしさを充分に感じられる作品であることには違いないのですが。
評価:★★★★




