表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/39

6の怪・詳細 小塚藍の自由研究



 ○調査の経緯

 ・十年に一度という開催頻度、村全体という規模、その他昔住んでいた経験を根拠に、村全体へ疑問を抱き調査を始める。


 ○調査参加者

 ・私

 ・姉

 →馬鹿らしいと言われるかもしれないが、姉も不思議なことや怪しいことには興味あるので十中八九参加してくれる。

 ・姉の先輩(仮)

 →姉が以前困っていた大学で出たおばけを解決してくれたらしい。でも怪しいし嘘っぽい。信用できないので、面白がって参加してくれたら良しとする。

 ・村人←聞き込み調査の際に。




 ○村の奇妙な点


 ・「きさらが村」がネットで検索しても出てこない

 →名前はどう書く? →口語でしか耳にしたことがないため不明→どうして?


 ・「きさらが村」が地図上に存在しない。

 →きさらが村という記述やそれらしき場所が見当たらない。何故?

 駅から村に来る際に通る道にあった「大深山自然公園」の看板→その位置からしてある場所に村が無い→でも村の人々は迷わず辿り着ける。どうして?


 ・何故祭りのために外部の人を呼ぶ?

 →祖母や父曰く「村の発展のため」

 →ならばテレビ局や発信力のある人を呼ぶべきでは?(そういう繫がりはない? もしくはそこまで広めたいわけではない?)


 ・何故村を出た人々まで呼び戻される?

 →五年前村を出た私達も呼び戻される

 →父は「これで祭りに出なくて住む」と安心。それなのに祖母からの連絡を受けて、帰省に乗り気に(何を言われた?)




 ○祭りについて。

 祭りは十年に一度、八月十五日に行われる。その時になると、村の外へ出ていた者達まで呼び出され、祭りを手伝うことになる。

 祭りの際には、より多くの外の人々を呼んでくることが求められる→村の知名度向上のため、移住者を増やすため(なのに何故村の名前や場所が不明?)



 ・八月十五日の朝、村の北にある神社に十五歳から六十歳までの村の男達が、祭り用の衣装を着て集合。(祭りの衣装は着物に似ている。真っ白な着物、死に装束みたい)

 ・大きな蛇のハリボテを全員で持ち、這うように動かしながら村中を歩く。ハリボテの下に棒がついているらしい。

 ・十五歳以下、六十歳以上の男の人は、太鼓や笛を鳴らしながら蛇の後ろについて歩く。蛇が家の前に来ると、三十歳以下の女の人達は玄関の前で頭を下げる(感謝の証?)

 ・一周し終えると、神社の側にある公民館で、三十歳以上の女の人が作ったご飯を、男の人達が食べる。

 ・ご飯は春に採れた山菜や山のキノコなど、村で採れたもの。蛇を持っていなかった人達もご飯は食べられる。お祭りのあと、全村人にお餅が渡される。

 ・村の外から来た人達も参加できる。


 蛇のハリボテ→村の歴史に関係ある?

 代表者は?→村長か神主

 祭りの衣装→死に装束に見える


 (調査元、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さんとお母さん、図書館)





 ○きさらが村の歴史について。


 「きさらが村発祥伝説」

 調査文献・「きさらがのれきし」(村の図書館)

 以下書籍より引用


「昔々この場所は、人の住めないような岩の谷でした。麓の村の人々は、この谷を渡るためにたいそう苦労しておりました。そんなあるとき、人々は山に住まうという大蛇に懇願しました。どうか、あの薄暗く険しい谷を、人々の心安らぐ地にしてほしいと。

 その願いを聞き入れた大蛇は山を降り、長い尾でばたんと谷を叩きました。山は削れ、岩は砕かれ、光が差し込みそこは穏やかな土地に変わります。

 人々はその土地に移り住み、大蛇へ感謝を伝えたそうな。大蛇は何も言わず、山へと戻ってゆきました。その土地では豊作が続き、人々は大蛇へ感謝しながら暮らしたそうです」


 →大蛇は祭りの蛇と関係が密。おそらくハリボテは村を作ったとされる大蛇がモチーフ。

 →祭りは大蛇に感謝を伝えるため?(よくある成り立ちの伝説?)



 ○村の人への聞き込み調査


 ・おばあちゃんとおじいちゃん

 祭りについて聞きたいと言ったら喜んで教えてくれた。(上記の内容など)久しぶりに色々調べて回りたいと言ったら、もうじき祭りだから神社には近寄るなと言われた。


 ・隣の家のおばさん

 久しぶりに村へ来たためか様々なことを聞かれた。こちらから質問をするまでに三十分経った。

 息子さんが祭りに参加するらしい。姉ちゃんが先輩を連れてくるという話をしたら、ハリボテを持つのに参加しないかと誘われた。


 ・担任の先生

 昔のままあまり変わっていなかった。先生も新しい人は見当たらない。全校生徒は相変わらず二十人前後らしい。むしろ減ってきているそうだ。先生も定年を迎え、今年からハリボテを持てなくなったと話していた。人手が足りないので、大学講師をやっているという村の人を呼び戻したいと言っていた。

 祭りについて調べたいというと、図書館にある本のことを教えてくれた。それから、やはりこの人にも今は神社に行ってはいけないと言われた。


 ・新しく来た先生

 担任の先生と話をしていると、新任だという若い先生が来た。人懐っこい人だった。奥さんがこの村の生まれで、移住してきたらしい。祭りについてはよく知らないが、伝統的で良いと話していた。神社に何故行ってはいけないのかと質問すると、首を傾げて神主さんに話せば大丈夫じゃない? と答えた。

 すぐに担任の先生が駄目に決まってると注意してきた。


 ・本屋のお婆ちゃん

 最後に会ったのが五年前だったけど、まだまだ元気らしい。祭りについて調べていると話し、今神社へ行ってはいけないとみんなに言われることを説明した。

 聞いた途端に顔をしかめられる。「今は祭りの準備をしているんだよ」と低い声で言われた。



 ・祭りの準備をしているのはわかるが、何故そんなに神社へ行ってはいけないと言う? →調査の余地あり。姉ちゃんが到着し次第、頑張って説明して協力してもらう。連れてくるという先輩達には家でじっとしていてもらう予定。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ