世界は無慈悲で残酷だ
プロローグ
人はいつ死ぬか、なんて誰にもわからない・・・。
だからこそ、悔いの残らないように生きなければならない・・・。
突然来る死に対し、悔いの残らないように生きることができるか?と問われたら、
僕は「はい」と答えられないと思う。
運命は残酷だ。
その気になればあらゆるものを無視して何もかもを奪っていく。そして僕たちはそれに抗えず、奪われていくのだ。
あの時だってそうだったのかもしれない・・・。
「優~遅い!そんなんだといつまで経っても女の子扱いされちゃうよ?」
笑いながらそう言ってくるのは僕の姉、優依である。
「仕方ないじゃん。だってこれ重いし・・・。」
僕はそう言うが姉はそうでもないようだ。僕のより重い袋を軽々と持っている。周りからはあの子たち姉妹かな?妹ちゃんの方可愛いとか聞こえてくる。
だがこれだけは言おう・・・。僕は決して女の子ではないのである。
背は155センチと小さく、少し女顔だからそう見えるのだけだと思う。きっとそうだ。あるものはあるのだ。
「優、大丈夫?私が少し持とうか?」
心配そうに僕を覗き込んでくるが、僕も男だ。そう簡単に甘えてばかりではいられないのだ。ましてやこの人の多い場所でそのような事をしてもらう訳にはいかない。
「いい、別にこれくらい大丈夫だし!」
そう言い僕は歩き始じめる。信号が赤になり足を止める。
「優、今日のお買い物楽しかったね。また今度行こうね。」
そう言って笑う姿はとても無邪気に見えた。このような日がずっと続けばいいなと思う。
「そうだね、また・・・
そう言いかけた時、角から猛スピードで飛び出してくるトラックが見えた。急いで逃げようとするが足が思うように動かない。姉も同じようだ。
あぁ。理不尽だ。わかっていたのならば避けることができたのかもしれない。なぜ運命というのはこんなにも無慈悲で残酷なのだろう。
君は、悔いのなく生きられたかい?
そんな言葉が聞こえ、僕の世界は暗転した・・・。
拙くてごめんなさい。誤字等あったらすみません。