雫星
一つ、星が流れた。
今、誰かが消えた。
一筋、涙が流れた。
今、誰かを思った。
また一つ、星が流れた。
また一筋、涙が流れた。
いくつもの星が流れた。
いくつもの涙が流れた。
無数の星が流れる様子は、空が落ちているようにも見えた。
無数の涙を流れる頬は、星が流れているようにも見えた。
あの子は夜を切る流星を観て何を感じたのだろう。
私は頬を伝う涙を見て何を思ったのだろう。
夜空は写す、あの子の涙を。
一つ、星が流れた。
一つ、また一つ、星は流れた。
涙はもう枯れていた。