表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
探偵と助手の日常  作者: 藤島紫
2章 運転者にはノンアルコールのカクテルを
23/26

「彼女」の話

=・=・=・=


 この事件はある年のクリスマスに起きたんだけどね……

 ある女優が、撮影の後にマンションでパーティーをしようって言い出したんだってさ。

 ある年ある女優が、なんて曖昧な言い方だけど許してよ? 具体的に言えないのわかるでしょ? そうなの。ぼかさないとだからさ。

 で、映画の撮影が終わって、女優とあたしの同僚はそのままマンションに直行。参加したのは、女優が普段から仲良くしてる人だけで、ほんと、友達同士のパーティーってカンジだったわけ。

 女優のマンションには同僚の子の車で行ったんだけど、停めるとこなくてしかたなく建物のすぐ脇にとめる羽目になったみたい。オープンカーだから、いたずらされないか心配だったって言ってたよ。

 メンバーはあたしの同僚をいれて四人ね。

 同僚が映画でスタントをした女優と、そのマネージャーと、ADの男。

 その女優は最近人気が出てきたんだけど、もともとはあたしの同僚と元々同じ事務所で仲がよかったんだよね。この映画の仕事も、その縁があったからなんだって。

 スタントと女優が同じ事務所で意外?

 ちがうの、同僚はもともと女優志望だったから女優と同じ事務所にいたんだよね。それがさ、女優では芽が出なかったけど、ドライバーとしては評価されたからスタントの事務所に拾われたってわけ。

 最近人気の女優とあたしの同僚はもともとは同期で同僚なわけよ。だから仲良しなのね。

 だから最初は二人でパーティーしようってことになってたわけ。それがなんだかんだでマネージャーとADもついてきちゃったみたいでさ。まあ、マネージャーはともかくとして、ADは何であんたがくるのよって感じなんだけどね。

 ねえ、なんでだと思う?

 なんと、女優とそのADは付き合ってたんだってさ。ホームパーティーに彼を誘ったのは女優だったわけ。

 だけど二人きりだと怪しまれるでしょ。

 だから、以前から仲がいい、あたしの同僚を誘ったわけね。

 こういった背景を知ってたからマネージャーさんは、心配でたまらなかったんだろうなあ。奥さんと子供がいるのにクリスマスを仕事に費やしちゃったんだよ。かわいそうに、

 まあ、こう言う面子だから、盛り上がりにもいまいち欠けちゃって、お酒ががんがん入っちゃったわけよ。わかるでしょ? 飲まなきゃ、やってられないよね。

 で、事件が起きたわけ。


=・=・=・=



「事件? 何か高価なものが消えた……などでしょうか」


 紗川が問い掛けると彼女はおお今朝に手を振って否定した。だいぶ酔いが回ってきているらしい。


「確かにものが消えたら事件だけど。そうじゃないんだなぁ」


 彼女の瞳の中に、それまでにはなかった暗い光が見えた気がした。


「殺人よ。女優が殺されちゃったの」



短くて申し訳ございません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ