外道
皆さんは子供と大人の事をどう思いますか?子供は無邪気で可愛い!とか。
大人は区別をハッキリしている!だとか。
そういう思いがあるとおもいます。
これはもしもの話です。
大人が大人だけの世界を作ってしまって子供の面倒を見なくなった時どうなるでしょう?
今から話すお話はそういうお話です。
どうぞ。ごゆっくり。
「母さん。 学校今日休みなんだってさ」
この子は東京都の私立高校 大滝高校に通っている 波崎 修特 (はまざき しゅうとく)高校2年生だ。
「そうなの?まあ私は用事があるからすぐ出かけるよ?」
母の美智子は眠そうにそう言った。朝ご飯の支度をしながら。
「んじゃあ留守番しとくよ。」
「ん。お願いね。」
いつも通りの会話。楽しくもなく辛くもなく。ただ話すだけの会話。
ひどい話だ。
「…」
食卓は静かになった。誰も喋らずに黙々と食べる。
ご飯が食べ終わった後、母はすぐでかけた。新しい男でも見つけたのだろうか。それはそれでめんどくさい。連れてきた男が酒飲みだったらと考えると頭が痛くなる。
まあ、そこに関しては良いとして。問題は何をするかだ。暇すぎる。友達と家でゲーム?違うな。彼女にデートを誘う?いや相手がいない。本当に暇な日だ。本当になんて日だ。
そう思いながら階段を降りてリビングに行く。そしてソファーに横になりテレビを付ける。
「…あれ?」
テレビがつかない。いやテレビの電気がついていない。そう言えば家の電気も。母がいなくなってから全て消えた。冷蔵庫の中の食材。飲み物。全てが。怖くなった修特は家を飛び出し外に出て幼なじみの樹里の家に向かう。
家に着きノックすると慌てて樹里が飛び出してきた。
「しゅう…くん?」
涙目で僕を見る。
「あぁ。そうだよ。お前の家もなのか?…そのなんか変な感じな」
僕は訳の分からない説明で樹里に聞く
「うん。なにもないの。」
泣きながら樹里は言う。
こういう時男としてだとか。言うやついるけどいざとなったら無理だって思い知ったな。
とにかく僕は深呼吸をして。こう言った
「誰か探そう。同じ状況の誰かを。」