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ミラベルさん、騎士めざします!  作者: 凜乃 初
三章 騎士と兵士のアイドル
42/86

3-5 偽物の騎士

 シルバリオンに乗り、私たちは町へと戻ってくる。


「ミラ、途中で酒屋に寄りましょう。お父さんにお土産を買わないと」

「そうだな。酒屋の場所はどのあたりだ?」

「真っ直ぐ行って、突き当りを左です。酒場を併設しているので、すぐに分かると思いますよ」

「了解した」


 指示通りに突き当りを左へと曲がると、少し先から賑やかな声が聞こえてきた。

 まだ昼だというのに、その声は明らかな宴会の声だ。


「あそこか?」

「はい。やっぱりもう飲んでますね」


 苦笑しつつも、クーの表情に驚きは見られない。ここではこれが普通なのか?


「昼から飲むのか」

「夜明け前から仕事して、昼で終わりって牧場も珍しくはないんですよ。少ないですけど、畑とかでもそういうところはありますし」

「なるほど、仕事の時間が違うのか」


 彼らが私たちがまだ寝ている間から仕事をしてくれているおかげで、朝市に新鮮な野菜が果物、肉や乳が並ぶということか。ならば馬鹿にはできんな。

 店の前まできたところで、私は先にクーを下す。そして私も降り、シルバリオンを店の前にある水飲み場へと繋いだ。

 どこの店にも、三、四頭は繋ぐことができる馬用の水飲み場があるのは、ファンジェラならではだな。

 その店は酒場と酒屋、二つの入り口があるようだ。酒屋の裏から酒場の調理場へ行けるようになっているのだな。

 私たちは酒屋側の入り口から中へと入る。

 並べられた瓶と樽。そのすべてが酒だと思うと、酒類の多さに驚愕する。

 私が棚に目を奪われている最中に、クーが酒屋のカウンターへと向かい声をかける。


「すみませーん」

「いらっしゃい」


 酒場側からきたのは、五十代ぐらいの紳士然としたおじさんだ。


「お、もしかしてビレスんところのクーネルエちゃんじゃないかい?」

「はい、お久しぶりですね」

「久しぶりだねぇ。ずいぶん成長して」

「もう、どこ見てるんですか!」


 やはりただのおやじかもしれないと考えを改めながら、私は二人の会話に耳を傾ける。


「ハハハ、ごめんごめん。それで、今日は何をお探しかな?」

「お父さんに少しいいお酒をと思いまして。何かありますか?」

「ビレスは確か麦が好きだったな。ラガー辺りを持って行ってやれば喜ぶと思うよ」

「じゃあそれをお願いします」

「はい。少々お待ちを」


 店主は棚から瓶を一本取り出し、カウンターの上で紙袋へと包んでいく。

 その間、私は隣の酒場から漂ってくるいい香りに、空腹を覚えた。すでに昼時、私たちもそろそろ昼食を取りたいところ。ここで食べていくのもありかもしれないな。


「おいくらですか?」

「ラガーの瓶なので、千五百エルナですね」

「ではこちらを」


 クーが袋からエルナを支払い、包み終わった紙袋を受け取る。


「クー、ついでにここで食べて行かないか?」

「それもそうですね」


 私が提案すると、クーもお腹が空いていたのかすぐに乗ってきた。


「ありがとうございます。では席に案内しましょう」


 酒屋側から酒場の店内へ。

 そこはホールに丸テーブルが並ぶ、いかにも酒場といった様相を呈している。

 主な客層は仕事を終えた男たち。だが、そこに混ざって家族連れの姿もちらほらと見えた。昼のためか、酒を片手に摘まみを食べる姿よりも、しっかりと昼食をとる姿が目立つ。

 まあ、賑やかなテーブルにはエールの瓶が転がっているのだが……


「こちらへどうぞ。クーネルエちゃんは確か文字が読めましたよね? メニューをお持ちしますか?」


 大きな町でもない限り、識字率というのはまだまだ低い。ここもその例に漏れず、文字の読めない人も多いのだろう。

 そういう人たちには、料金ごとに分けて店主のおすすめを出しているようだ。


「店主さんのところは何を食べても美味しいですからね。日替わりランチでお願いします。ミラもそれでいいですか?」

「うむ、もちろんだ」

「かしこまりました。少々お待ちください」


 店主が下がったのを見計らって、私はクーに尋ねる。


「この店にはよく来ていたのか?」

「そうですね。お酒を扱っているなかでは一番品ぞろえがいいみたいですし、ご飯も美味しいのでよく家族で来てました。大抵は仕事が終わった夕方ですけどね」

「なるほど、なら期待できそうだな」

「今日のランチはなんでしょうね」


 他のテーブルをチラッと覗いていても、ちょうど時間がずれてしまったせいかほとんど食べ終えてしまっている。

 これは、出てくるのを待つしかないな。

 期待に胸を膨らませつつ、しばらく待つとジュージューと脂の跳ねる音と共に、店主がプレートを持ってくる。


「本日のランチはハンバーグセットになります。鉄板熱くなっておりますので、お気を付けください。ではごゆっくりどうぞ」

「おお」

「美味しそうですね」


 どうやら今日はハンバーグのようだ。

 牧畜の盛んな町のハンバーグと聞くと、それだけでいつもより美味しそうに思えてしまうな。

 早速ナイフを入れると、じゅわーッと肉汁があふれ出し、まだ熱々の鉄板で跳ねる。

 一口大に切った肉に添え付けられていた刻み野菜を乗せ、口へと運んだ。

 噛み締めるたびに肉汁が口いっぱいに広がり、濃厚な肉の味を届けてくれる。刻み野菜が食感にアクセントを与え、ピリッとした玉ねぎが口の中に脂っこさを残さない。


「うむ。これは美味しいな!」

「そうですね。久しぶりですけど、変わらない美味しさです」


 比較的大きいはずのハンバーグが、見る見るうちに小さくなり、やがて鉄板の上から消滅する。

 残った肉汁をパンで吸い取り、口に放り込むと「ほうっ」と息を吐いた。


「あっという間に食べてしまった」

「お気に召していただけましたか?」


 ちょうど水を注ぎに来た店主に聞かれ、私は頷く。


「うむ。トエラや王都でもなかなか食べられないレベルの美味しさだった。料理は誰が?」

「専門の料理人と妻が協力して作っております」

「ほう、つまり店主は毎日このレベルの料理が食べられるということか。羨ましいな」

「その代りこき使われておりますが」


 そんなことを話していると、新たな来店を告げるベルが鳴る。

 視線を向けて、私は一瞬固まった。

 入ってきたのは腰に剣を下げた二人組の男。その服は、白を基調にした私の見慣れたもの――つまり騎士の制服である。


「こんなところに騎士?」


 私がいぶかしんでいると、店主が眉をしかめて「また来たのか」と呟く。

 この店主がここまで露骨に表情に出すとは――あの二人に何か問題があるのか?


「ミラ」


 店内の雰囲気が悪くなっていることに気付いたクーが、小さく私に声を掛けてくる。

 私はクーを見て無言で小さく首を振った。

 今はまだどのような状況なのか理解できていない。少し様子を見るべきだ。

 クーが頷いている間にも、店員の一人が騎士たちに接客を始める。


「いらっしゃいませ。お席にご案内します」

「おう、頼むわ」

「あの真ん中がいいな。俺たちはやっぱ目立つ場所じゃねぇと」

「え、でもあの席は」


 騎士たちの言う真ん中の席には、家族連れがすでに座り食事を楽しんでいた。


「あん? 俺たちに文句あんの?」

「俺たち騎士だぜ? この辺り守ってやってんの理解してる?」

「あの、私たち移動しますから。騎士様こちらをお使いください」


 家族連れも、彼らのことは知っているのだろう。料理を持ってそそくさと空いているテーブルへと移動する。それに対して、他のものたちも何も言わない。

 いや、言えないのだろう。剣を下げた騎士を相手にするなど、馬鹿のすることだからな。

 騎士たちはテーブルが空くとドサッと腰かけ、この店で一番高い料理と酒を注文する。

 店員は必死に表情を押し殺しながら、注文を厨房へと伝えた。


「彼らは?」


 私は店主に小さく問いかける。


「半月ほど前に来た騎士様です。なんでも、辺境の守護のために派遣されたとか。ですが、見ての通りの様子で、ファンジェラの住人からはあまりよく思われていません」

「そうか」


 騎士の姿としては最低だな。民の前に立ち、民の盾となる。騎士然とした姿は、常に人の見本とならねばならない。

 彼らの姿は、とても見本にできるものではない。


「飲食店からの評判はさらに低いですよ。何せ彼ら、守ってやっているのだからと言って無償の提供を要求してくるんです」

「なに?」

「公然と食い逃げしているんですよ。でも逆らえない。騎士の強さはメビウス王国の国民なら誰もが知っていることです」

「警備隊には連絡したのか?」

「一応は。ただ、動いてくれる気配はあまり」


 警備隊もあてにならないと。辺境の兵士たちならば、練度も低いし仕方がないことなのかもしれない。トエラの警備隊ですら、危険すぎる相手には手出しできていなかったのだ。辺境の兵士たちは地元の出身が多いだろうし、家族への報復の可能性もあるとなれば、迂闊には動けないか。


「すみません、女性が給仕するとそのまま絡まれかねませんので」

「ああ」


 店主は一度裏へと戻り、料理を持って再びホールへと出てくる。

 既に彼らのことは従業員の中でも周知なのだろう。いつの間にか、女性給仕がホールから消えていた。


「クー、分かっていると思うがあいつらは騎士ではないぞ」

「ええ、けどあの服や剣は?」

「あれは――」


 私は手早くあの服と剣の真実をクーに説明する。

 その間に、料理を持った店主が厨房から戻ってきた。


「お待たせしました。子羊の香草グリルでございます。ワインは、シャルペの赤をご用意させていただきました」

「ハッ、こんな湿気た店じゃ、このレベルがせいぜいだろうな」

「俺たちが食ってやるだけありがたく思えよ」


 男たちはテーブルマナーなどどこ吹く風。ラムチョップの骨を手づかみに、肉に噛り付きワインをがぶ飲みする。

 あの食べ方では、味も何も分かったものではないな。もったいない。


「なあ、店長さんよ。ここのサービスは最低だな。女の給仕一人いねぇのか?」

「申し訳ありません。ただいま出払っておりまして」

「んな見え透いた言い訳聞きてぇ訳じゃねぇんだよ!」


 男の一人が、すぐ横に置いてあった椅子を蹴り飛ばす。椅子は壁にぶつかり、バラバラに砕けた。


「俺たちは騎士だぞ? 出払ってんなら呼び戻せ! この店は騎士を馬鹿にしてんのか? ああ!」

「別に給仕の女じゃなくてもいいんだぜ? 酌ならそこら辺の――」


 もう一人の男が店内を見回す。そして、私たちの方へ視線を向けにやりと下種な笑みを浮かべた。


「おい、そこの二人! こっち来て酌しろ! 騎士様に酌できるんだ。栄誉だよな!?」

「なかなかいい女じゃねぇか。まだちょいガキだが、教え込むにはちょうどいいかもな」


 全く、そろいもそろって屑ばかり。これだから愚か者は困る。

 まあちょうどいい。私がクーに視線を送ると、クーも小さく頷く。

 呼ばれたのならば、行ってやらないとな。

 席を立ち、水の入ったカップを持って男たちの元へと向かう。周囲の客は何も言わないが、哀れみの視線を向けていた。

 いたいけな少女たちが、不幸な目に合うと思っているのだろう。


「私たちに何か用か?」

「酌しろっつってんだよ。聞こえてただろ」

「酌? それはこういうことかな?」

「どうぞ~」


 私は持ってきたカップを傾け、男の頭から水を被せた。その横で、クーもタイミングを合わせてもう一人の男へと水をかける。

 男たちは、何をされたのか理解できなかったのだろう。ぽかんとした表情で頭から水を浴びていた。

 そして状況を理解し、マグマが地下から昇ってくるように、次第に顔が真っ赤に染まっていく。


「てめぇ!」

「ぶち殺してやる!」

「出来るかな? 自称騎士君」

「似非騎士に何ができるか、楽しみですね」


 そう、こいつらは騎士などではない。正式に騎士団に所属すらしていない。ただ、服を纏って剣を下げただけの一般人……いや、騎士を騙って民衆を騙していることから明確な犯罪者である。

 彼らに躊躇する必要など、欠片もない。

 騎士の名に傷を付けたこと、その重み甘く見るなよ。貴様からはここで、徹底的に踏みにじる!


「何言ってやがる! 俺たちは騎士だ! この制服は王国から正式に支給されたものだぞ!」

「この剣も騎士専属の鍛冶屋が打ったもんだ。そんじょそこらの鈍とは訳が違う。てめぇら、この剣の錆びにしてやる。女子供だからって容赦しねぇ!」


 テーブルを蹴り、剣を抜く男たち。

 店の中は一気にパニック状態となった。私は近くで呆然としている店主を軽く手で押して逃げるように促し、クーは男の一人に向かって短剣を構えた。


「王国の支給品ねぇ」

「専属鍛冶屋ですか」


 真実を知っているこっちとしては滑稽でしかない。


「肩のヘキサゴンに紋章のない制服。その意味は試験期間」

「柄の×印は弟子の練習」

「おおかた、試験が厳しくて逃げだした口だろ」

「手癖の悪さは一級品でしたかね?」


 正規の騎士の制服の方にはヘキサゴンの中に騎士の紋章が刺繍されている。当然私の着ている改造制服にはヘキサゴン自体が存在しないが、刺繍がされていない制服がもう一種類だけ存在する。

 それは、騎士の入団試験期間に対象者に配布される制服だ。

 つまり彼らが来ている制服がそれである。そして剣の×も同様のものであり、巧の一品ではなく、その弟子の練習品に過ぎない。


「制服は返却義務が発生するはずだが、盗んできたということは窃盗だな」

「詐称もありますし、重罪ですね」


 ここまで言えば、相手も気づいたようだ。


「そこまで知ってるってことは、てめぇら騎士団の関係者か」

「ミラベル・ナイトロード。この名を聞いたことはあるかな?」

「知らねぇな」

「ナイトロードすら知らない。よく騎士になろうと思ったな」

「はっ、あんなクソめんどくせぇところ、最初から入る気なんかねぇっての。目的は端からこの服と剣よ」

「偽物置いてきゃ、簡単に取れるんだ。騎士も意外と間抜けが多いみたいだしな」


 現副団長の家名を知らないのはいくら何でも愚かすぎるだろ。

 だが、これほど愚かでも今まで騎士の名を使い自由に出来てしまっていた。そのことは問題として受け止めねばならんな。これも、父さまへの報告案件だ。

 騎士の名は力の象徴。それを悪用しようとする輩には、死すら生ぬるい後悔を与えねば。


「粛清――と行きたいところだが、貴様らは騎士団へ引き渡そう。己らが傷つけた名の意味、とくと理解できるはずだ」

「おいおい、ガキ二人が俺たちに勝てるつもりでいるのかよ。これでも騎士団の一時試験は通ってるんだぜ?」

「お前ら二人を殺せば、連絡も遅くなるだろうしな。その間に別の村にでも逃げて騎士を謳歌させてもらうか」

「だな」


 状況が理解できていないのか、余裕の笑みを浮かべたまま斬りかかってくる二人。

 私はその剣を居合いで切断し、クーは短剣で逸らせ柄を顎に叩き込む。

 一人の男は崩れ落ち、もう一人は刃がなくなった剣を見て呆然とする。


「所詮落ちこぼれ。相手にはならんな」


 クーですら簡単に対処できたのだ。実力は知れている。騎士団の一次試験だって、基礎的な体力があればクリアできる程度のものだ。

 騎士団の試験で苦しいのは、試験期間中。これは、常識だろうに。


「さて、では先ほどの名の意味を教えてやろう。ミラベル・ナイトロード。代々騎士を輩出する家系にして、現当主バラナス・ナイトロードは騎士団の副団長。そのナイトロード家の長女にして、私の名だよ」

「ひっ」

「今は眠っていろ。直に眠れぬ日々になるだろうかなら」


 腰を抜かし、尻もちを付いた男の顎を鞘先で擦るように殴り気絶させる。


「店主、すまないが警備隊に連絡を頼む。騎士を名乗る偽物を捕まえたと」

「あ、ああ。分かりました。クーネルエちゃん、強くなったんだねぇ」

「まあ、傭兵ですから」


 嬉しそうに胸を張るクー。少し前までは短剣もまともに振れなかったのにな。

 静けさを取り戻した店の中に、逃げていた客たちが少しずつ様子を窺うように戻ってくる。そしてその場に伸びている偽騎士二人を見て、目を丸くしていた。


「店主、これを」

「こちらは?」

「店を荒してしまったからな。修理代に当ててくれ」


 あの偽騎士が蹴って壊した椅子にテーブル、剣を振って傷ついた床、散らばった食器と割れたワインの瓶。直さなければならないところはいくらでもある。


「いただけません。本物の騎士様が、偽物の騎士を成敗してくれたのでしょう?」

「私はまだ騎士ではないよ。騎士になりたいとは思っているがね」

「私もですよ。私も騎士を目指しているんです。なにせ、私たちは国境なき騎士団ですから」

「そうですか。けどこれは受け取れません。ここの修理代は、この男たちからきっちり徴収しますよ」

「むっ、しかしこいつらが払えるような額とは思えないが」

「借金させてでも払わせますよ。それが商売人としてのプライドです」

「そうか」


 そこまで言われては、強引に受け取らせるわけにもいかないな。

 偽騎士を縛りあげ、客たちから褒められながらしばらく待つと警備隊がようやく到着し、店の惨状に驚愕していた。

 そして事態の顛末を説明し、この男たちが偽の騎士であることを説明。警備隊の本部から騎士隊へ連絡を付けてもらうように頼んでおいた。こういう時、ナイトロードの名は強いな。とんとん拍子で事が進む。

 偽騎士はしばらくの間警備隊の牢屋へ拘留され、王都へ移送されることとなるだろう。その間に、借金を強制的に作られ、店の修繕費が支払われることとなった。

 全てを終え店を出ると、西の空が赤く染まっていた。


「すっかり遅くなっちゃいましたね」

「シルバリオンも待たせてしまったな」


 ずっと待ちっぱなしだったシルバリオンは、どこか不貞腐れた様子。ただ、それを見越して店主がリンゴをくれたので、それをあげて機嫌を直してもらった。


「では帰るか」

「はい!」


 手綱を握る私と、ビレス殿への酒をしっかりと手に持つクー。

 私たちのを乗せて、シルバリオンは牧場へと向かってゆっくりと歩いて行った。


tips

見習いの制服

騎士の見習いの制服には左二の腕にヘキサゴンが刺繍されている。しかしその中には何も刻まれておらず、正式に騎士として配属された際に、その服に刺繍が施される。

何着か同時に同じものが支給されるため、見習いのころに着ていた服は記念品として取っておく者が多い。

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