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第六話『微笑む騎士と怒れる騎士と雑用筋肉のお仕事ですよ?』

気高き野獣

悍ましき蟲

美しき神鳥

この国、ウルブア王国中心街、中央通りのど真ん中にあるものごっついモニュメントにその3つの化身は掘られていた。

そこが待ち合わせ場所だった。


「時間の概念が元の世界と同じで助かったぜ・・・にしてもくそでっけえモニュメントだな・・・」


俺は五十メートルはあるだろうそのモニュメントを下から眺め、口を開けていた


「時間ジャストだね。もし来なかったらどうしたものかと思ったけど…ちゃんと来てくれて助かったよ」


金髪の美青年が俺に話しかけてきた。

獅子の彫刻が施された剣を腰からぶら下げ、さわやか全開スマイルでこちらに歩いてくる

ぬ、ぬう

なんだこいつ・・・?


「顔面サバイバルゲームの騎士が来ると思ったら薔薇色スマイルのびゅーちほーボーイがやってきて困惑気味の俺にあなたが何者なのかを教えてくれないでしょーか」


「僕は黒騎士 ネメアー・ローザ。気軽にネムと呼んでくれても構わないよ」


「うっすネム。おれはダイキ。気軽にダイキ様って呼んでくれていいよ」


「わかったよ。ダイキ様♪」


「マジで呼ばれるとは思わなかった・・・」


やはりマーバリオンと同じ黒騎士だったか・・・。雰囲気は真逆もいいところだけど

まあ普通に考えて、あのケバケバ騎士が特殊だと考えるのが妥当だろうな。


「っていうか、一人?ほかに仲間とかいねーの?」


「あー、もう一人来るよ。うちの赤騎士がね」


「赤騎士・・・?それってどういうーーー」


言いかけた瞬間、一人の少女が目の前に現れた。

いや、現れたっていうか降ってきた。


ゴシャッという音とともに頭から落ちた少女は、への字のポーズでぶっ倒れた。


「お、おーい?大丈夫っすか?ってうおあ!」


一応声をかけてみると、勢いよく少女は立ちあがった。

明るめの茶髪で、赤い詰襟に赤いベレー帽。さらに赤いスカートの少女は服の土埃を手ではらった。

ちなみに背は160くらい。

一般的な女子の中では高い方なのだろうが、俺の身長は195なので、みぞおちくらいに少女の頭がある。


ふう、とため息をこぼすと少女はネムの方をむき、

「なに私を置いてって一人で行っちゃってるんですか!!すんごい探したんですよ!?集合場所くらい教えておいてくださいよ!石は突然効果が切れちゃうし!!あああう、おでこ痛い、顔から落ちちゃったからものすご〜く顔痛いじゃないですかぁ!嫁入り前の乙女にこんな仕打ち・・・!そのさわやかさとは裏腹にとんでもない鬼畜の所業!ひどすぎます!」


一気にまくしたてる少女。

いや、恐らく彼女がネムの言っていた赤騎士なのだろう。


「さあ、役者も揃ったことだし、行こうかダイキ様♪」


「無視ですか⁉︎華麗に無視ですか⁉︎可愛い後輩ボロボロにしておいて無視ですかあああああ⁉︎」


ネムの背中をポカポカと叩く赤騎士少女。


「というか様⁈ネメアー様に様付けさせてるあなた誰⁉︎何様ですか⁉︎」


赤騎士はガバっと顔上げ、さっきスルーしかけたネムの発言に今更驚き、こちらを睨みながら叫んだ。

ネムに突き付けられていたおかしなテンションがそのまま俺の方にきた。


「様々しつけえな・・・俺はダイキっていいまーす。えっとー、今日アルバイト的な感じでここに来ましたー。右も左もわからぬ青二才でございますが、なにとぞ宜しくお願いしますせんぱーい。」


「お、う?なかなか礼儀がわかってるじゃないですか。ふむ・・・先輩・・・ふふ。ダイキさんね、うん。わかりました。私は赤騎士 イリーニ・ムスクーリです。あなたが今日来ると言っていた鉄騎士でしたのね。」


鉄騎士・・・?俺のことだろうか?


「鉄騎士っていうのは一般的に、騎士団に正式加入していない身で騎士団のお仕事をする人・・・いわゆる君のような助っ人のことをさす言葉だよ。」


俺が不思議そうな顔をしていることに気付いてか、ネムが解説をしてくれた。


「黒騎士に赤騎士ときたからカラーかと思いきや鉄ですか。嫌じゃないけどなんでなの?」


「うーん。まあ、その話は移動しながら話そうか。目的地はもうちょっと先だからね。」


俺とイリーニはネムの言葉に従い、歩を進めた。

この世界にはコンクリート建築のものは一切なく、異世界ファンタジーでは王道の中世ヨーロッパ風な街並みである。 ネット繋がるけど・・・。


地味にこの世界に来てから街をしっかり歩くのは初めてだ。ビンハムさんから地図を貰ったが、この街は結構広いそれに、見回してわかるように、何処に行ってもけっこうな人がいる。中心街なのだから当然っちゃあ、当然なのだが。

そのなか集合場所を告げられなかったにも関わらず、ネムを見つけ出すことが出来たイリーニって・・・控えめに言ってすげえな・・・。


「なぜ、鉄騎士だけ赤騎士や黒騎士と違って色で分けられていないかというとだね」


ネムが前を向いたまま語り出した。


「まず、騎士団の中にも階級みたいなものがあるんだ。トップが僕含め3人の黒騎士。そしてその一個下が銀騎士。人数は12人。ああ、そうそう。君が前に会ったマーバリオンはつい最近まで銀騎士だったんだよ?先代アラクネ・ヒルデが殉職してヒルデの名を継ぎ、黒騎士となったんだ。まあ、いわゆる黒騎士予備軍だね。」


「ほえー、銀騎士なんかもいるんだあ・・・」


「その下あたりにいるのが私達赤騎士です。赤騎士はちょっと特殊で、銀騎士にはなれないんです。」


「え、出世できないの?何それ」


「例外がないわけじゃないんですが、基本そうですね。」


赤騎士かわいそっ。


「イリーニ君達は特殊だと言ったでしょ?赤騎士っていうのは、騎士っていうのは名ばかりで、魔法使いの集まりなのさ。僕のような赤以外の騎士は魔法を使えないのがほとんどなんだ。」


「はあ、なるほど。魔法が使える人と使えない人の違いって何なの?」


「遺伝が多いですね。魔法が使える人は体内に血液の他に魔流という液体が循環しているんですよ?常識じゃないですか。」


「あ、ああ、そうなんだ。ごめん、俺は田舎からコッチに来たもんでそういう常識に疎くて」


咄嗟に嘘をついたが。まあ、この世界においての常識が疎いことは嘘じゃない。


「赤騎士の下に青騎士ってのがいて・・・。まあ、彼らは、あれだ、特に特徴は無いかな。絶対数が一番多いのはこの青騎士だね。君がボコボコにしたっていう騎士も、彼らだよ。」


「ああ、通りで手応えなかったわけだ。その青騎士が一番下っ端なの?」


「まあ、そういうことになりますね。・・・ボコボコにしたって、ダイキさんなにやったんですか?」


若干引きつった顔でこちらをジロリと見る真っ赤な服の騎士。

ああ、いや、別にと何となく誤魔化しておいた。


「と、まあ騎士団にはこういった色で階級が区別されていて、その階級の外である君ら助っ人はあえて色を決めず、鉄騎士って呼ばれているんだ。」


なるほどねー。


「着いたよ。ここが今日の目的地だ。」


俺らの目の前には怪しげな屋敷がでんっと建っていた。


















かなあああり遅くなってすみません。しかも多分次また遅いです。ごめんなさい。いやあ、受験生は忙しい忙しいつって、読んでくれている皆様に感謝を。受験が落ち着けば、また投稿ペースが上がると思うんで、よろしくね。

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