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第一章《四》
「君、出身は何処なんですか?」
「俺?何処だと思う?「何処ってそいつ、倒幕派の奴等じゃねーの?」
ひょっこり話に出てきたのは、小さい身長の男。
こいつは八番隊組長の藤堂平助かな?
俺は倒幕派?と飽きれたように、藤堂平助を見た。
「止めて欲しいな、倒幕派なんて。こんな身なりだけど倒幕派な訳はない、ありえない。」
「じゃあ、異国人なの?」
負けじと言ってくる藤堂平助らしき男に、俺はそうでもないと首を横に振る。
「ならお前誰だよ?倒幕派でもない、異国人でもないって……怪しばりの一点なのに。意味がわかんねえ」
藤堂平助の隣にいた筋肉体質の男。
あ、こいつはすぐにわかる。
二番隊組長の永倉新八だ。
沖田総司と一、二を争う剣豪でもある。
「俺は、倒幕派でも佐幕派でもない。分からないなら教えてやるよ。俺はー未来から来た人間だ」
未来から来た人間。
「み、らい……だと?」
固まる土方歳三らに、ああ、と俺は頷く。