第九十五話 死闘
「──懲りないものね、小娘」
「本当にあなたは何がしたいの? 」
「……私は一人の大切にしている子のために行動しているだけ。人間になったのも、その子と同じ存在になるため」
「それは誰のことを」
「教えないわよ! 」
突然、駒を握る。──体中が軋む。とても、痛い……。
「これはあなたの駒。少しばかり拝借したわ」
「っ……」
「私は生死を操れるの。楽園の管理者となったおかげで、時の管理者をいつでも呼び出せるのだから」
「……糸使い、なめたら」
私は、彼女の手から糸を使い、自分の駒を奪った。これで少しは……。
「あなたは自分の母親と父親を殺したいほど憎んでいた。だから私は叶えてあげたのに、なぜ感謝しないのかしらねえ」
「……は? 」
「恋敵の娘もバラバラにしたわ。沢田明石の姪の娘はまあ、足だけ奪ったけれど」
「え、まさか」
「感謝しなさい、小娘! 」
首を掴まれた。ギリギリと首がしまる。私、は。感謝、なんて。
寸前のところで離れる。苦しい、……。
「ち、一筋縄じゃいかないのね」
「……」
私はふらふらながらも、糸で彼女に立ち向かう。それから数分。私達は戦い続けた。
「──しぶといわね」
「お姉様! 」
突然現れたのは、どこかで見た顔の少女だった。
その少女は私によくわからない武器を向けてきた。とっさに避ける。
「無駄よ」
手が肉片と化して吹き飛んだ。──ああ、まさか。あなたが、あの、事件の。
「バカね。本当に」
「アルキドゥ……じゃないの? 」
「そうよ。私はアリス。イリスの妹。この武器の製造者。さあ、消え失せなさい」
最果てから追い出された。
イリスに、妹? そんなの初耳だ。なぜ、黙っていたの? まさか、守りたい子ってアリスっていう子?




