第九十四話 楽園の管理者の正体
「ミーナを捜さなくちゃ……時の管理者の手から落とされた駒は楽園の管理者にめちゃくちゃにされてる可能性があるわ……」
凛子の事故。かろうじて人の形をしていたというのは、一度体をバラされくっつけていたからだろう。
それならば、ミーナも同じ目にあっている可能性がある。楽園の管理者は何がしたいのだろうか。
「ソフィア、報告しに来たわ」
「何か分かったのか」
楽園に行き、ソフィアの元へ。ユーリは静かに眠っている。
「まず、ミーナを見つけるべき。楽園の管理者にバラバラにされてる可能性があるの」
「ふむ。それならばこちらで見つけよう」
「それと、いろいろ変わっていた。凛子はバラバラにされ、ある少女の両親を生け贄にしたかのように蘇った」
「……時の管理者より強そうだな」
「そりゃあ、冷酷の魔女、ですもの」
「──!? 」
ソフィアが珍しく、驚いている。愕然としている。
「イリス様はハナの母親だ。例え冷酷の魔女としてもそんなことは──」
「そうよね。だからこそ誰も気づけない。ユーリでさえ気づけなかった。イリスという女の本性を。イリスに私が楽園の管理者と呼んだら何と言ったと思う? 『気付くなんて、凄いわねえ、小娘』──人をバカにしている」
「……彼女の母親だが、性悪だったようだな」
「そんなの別にどうだっていいの。自殺した母親のことなんて今は関係ないでしょ」
私は疲れたので、座る。ため息をつく。ソフィアが私に紅茶をくれる。
「なぜ気付いた」
「その……イリスの言動かな。腕にある大量の古傷。突然、髪を黒くしてまで人間になるということ。十分におかしいと感じていたの。あと、イリスは過去に問題を抱えている。ティクトペアを操ったのも彼女」
「……」
「私、イリスと話し合う。ソフィアはユーリと一緒にミーナ捜しをしてくれればいい」
「そうか」
私はユーリを起こす。目は虚ろ。記憶がないので、キョロキョロしている。
「ユーリ、あなたはこれからソフィアについていきなさい。私はある人に会うから」
「……分かった」
楽園を出て、最果てを目指す。そこに彼女はいるはず。
「次はどれを壊そうかしらね……」
「楽園の管理者! ──いえ、イリス」
イリスは振り返ると、私をにらんだ。




