第九十一話 変わった未来
私は無気力に日々を消化するだけの毎日を過ごしていた。本当に、つまらない。
「瑞穂、今日もありがとう」
「大丈夫、お手伝いぐらいなんともない」
「んもう……」
瑞歌お姉ちゃんが卒業後、私は生徒会に入った。生徒会の制度は見直され、友那という人は退学したらしい。
「瑞穂は知ってる? 2年生の帆乃水って子。国体に出たらしいよ」
「へえ、沙織は好きだねスポーツ」
「……瑞穂、あんたも趣味持ったら? 私がいるからいいけど、今後どうするの? 」
「別に」
私は荷物をまとめ、そそくさと生徒会室を出る。沙織は必死になって呼び止めてくる。
私は無視して美術室に向かう。美術室には笑顔の後輩、真田凛子がいた。
「こんにちは、凛子」
「副会長、こんにちは」
彼女が紅茶を振る舞ってくれる。彼女は私が唯一友達だとしている人。そして、感情的になれる相手。
真田凛子は2年前の事故により、足は動かない。四六時中車いす。何かが欠けている私と同じく、彼女も欠けているのだ。それが共感できたのかもしれない。
「今は何を描いているの? 」
「油絵。今度の展示会で見せるの。──あなたも授業はサボるの? 」
「いえ、一応出ないと生徒会長がうるさいから出るわよ」
「そう。私は今日も油絵を描き続けるわ。そろそろ行きなさい 」
言われるがまま、紅茶を飲み干し教室へ。沙織が私の席の近くで待っていた。
「またあの人のとこ? 」
「……まあね」
「やめなよ、気味悪い」
沙織にあの人のことなんて分かりはしない。私のように欠けているあの人のつらさ。私なら分かる。
授業が始まったものの、私はただ板書をとることしか出来なかった。あの人が気になる。
昼休みになり、あの人のところへ。そこには、みっちゃん、帆乃もいた。
「皆、早いね」
「まあね」
「時間がないんだよ~」
4人で仲良く食べる。雑談を交わしながら、とても楽しい。




