第八十九話 作戦、始動
放課後。屋上に生徒会長を連れて行った。彼女は困惑していたが、大人しく従ってくれた。
「い、一樹? 」
「……悠希、俺は忙しい。お前なら分かるだろ、なんで今更」
「私じゃない、私は一樹をずっと待っていたいの。だから呼ぶことなんてしない」
「……それなら俺は部活に行く」
私は一樹の腕を掴む。リーデルヒや一樹、生徒会長が驚く。
「いつまでも向き合わないのはダメ、ですよ」
「……俺は」
「……」
一樹は生徒会長に向き直った。何をするのだろうか。
「悠希、本当の気持ちが知りたい。もう俺のことは嫌いなんだろう? 」
「違う、さっきも言ったけどあなたのことは待っていたの。一樹を王子様だと信じて……」
「悠希……」
すると、いきなり誰かの剣が飛んできた。その方向を見ると、謎の女性がいた。
「──あらぁ、こんにちは」
「誰……」
「私? フフ、楽園の管理者よ」
「──! 」
「驚かないで、あの二人には私とあなたのことは認識されていないから」
「──あなたが混乱を」
「ええ、まあね。楽しかったわ。時の管理者の邪魔をして駒をめちゃくちゃにするのは」
「……」
奇妙なオレンジ色の髪、魔女が着るという長いローブ。顔は見えない。しかし、オレンジ色の髪と言えば……。
「まさかあなたは」
「違うわよ」
「……ですよね」
「さて、お次はあの二人を八つ裂きにするためにあの子呼ばないと」
「やめて、滅茶苦茶にしないでっ──」
────
私は人間のために何かするなど普段ならしない。なのに、私は瑞歌を救いたかった。
「あっ……な、何……? 体が……! 」
「みーちゃん!? 」
「りー先輩……た、すけ……」
私は瑞歌を救うため、全力で糸を伸ばした。お願い、お願いだから止まって……!
生徒会室の廊下で瑞歌は止まった。良かった、止まってくれた、良かった……。
「ごめ、んなさ、い」
「──!? 」
血が飛び散る。これは、誰の血?
────
「いやああああああああああああ!!! 」
リーデルヒの肉片が飛んできた。なんで……なの……。
「手が滑っちゃったわ、間違えてリーデルヒの首を飛ばしちゃった」
「……許さない、許さないんだから! 」




