第七話 女子会
レストランに華たちと行くと、クラスメートの女子ほとんどがいた。な、女子会?
「これより、女子会を開催しまーす! 」
「いえーい! 」
やっぱり、と思いつつ来ていないのは数人だと分かった。
宮島香奈はもちろん、ギャルでクラスから浮いている佐和条愛莉、親が過保護な椎葉裕美のたった3人。つまりこの場にいるのは10人である。
「お金は大丈夫なの? 私の両親みたいにお金持ちじゃないでしょ」
「大丈夫だよ。今日は委員長が払うから」
「任せて、凛子」
「はあ、なるほど」
委員長も私の両親に負けないお金持ちの家だ。なるほどなるほど。
「今日は改めて女子皆で仲良くしたいなって思っての女子会なんだよ~」
「あと、凛子の誕生日祝い。この前の土曜日でしょ? 」
「あ、忘れていた……」
「本人が忘れてるなんて! じゃあ、まず自己紹介しようか」
去年散々だったクラスを思い出す。いくつものグループにわかれ、女子はそのグループの女子以外とはあまり話さない、ぼっちは無視という冷め切ったクラスだった。
仕切ってるのが委員長で感謝している。未だに名前を暗記していないから助かる。
「それじゃあ私から。有栖川宮遙妃。バスケ部。矢川市に住んでいる」
「趣味とかは? 」
「んー、恥ずかしいけど、時々、その……服を買うことかな」
「へー! 去年同じだったけど全然そうは見えなかったなあ」
ショートカットでサバサバとした性格の彼女は去年、冷め切ったクラスを作った原因の一人。もう一人は……この場にいない佐和条愛莉。二人はライバルらしい。
「ボクは、飯島夏帆! 去年は帆乃水ちゃんと一緒だったよ! テニス部で中河原市に住んでいたよ~。今は矢川市のおじいちゃんの家に避難中」
「あー中河原市、ボロボロなんだよね」
「そうそう。ボクの家なんかもうないよ。てへっ」
さらりとそう言ってみせる陽気な飯島夏帆。ボブが似合ってる。よし、覚えた。
「私は入山理彩。文芸部よ。矢川市に住んでるの」
「ブ、ブンゲーブ? 」
「夏帆、入山さん怒らせちゃう」
「特別に許してあげる」
腰まであるツインテールの入山理彩。どうやら上品な人らしい。怒らせると危険、と。
「上島朱美! りさたんと同じく文芸部で矢川市に住んでるお! 」
「二人って付き合って」
「だまらっしゃい」
「あう」
腰まである三つ編みの上島朱美。夏帆さんが言っていたけど彼女に彼氏でもいるのかな?
「うちは川島帆乃水。珍しい名前やろ? うちは気に入ってるけどなあ、呼びにくいならほのほのでもほのでもええで。未来のエースでバレーボール部副部長、海が綺麗な鈴ヶ屋に住んでるで」
「自己紹介ながっ! 」
「かほちゃん、ノリツッコミありがとうな~」
帆乃水の自己紹介の長さは知っている。昔からそうなのだ。こんなに明るいのなら夏帆さんと気が合いそうなんだけど。
次は私の番。
「えと、私は真田凛子。美術部で鈴ヶ屋に住んでるの」
「真田舞莉の妹なんだよ~」
「ちょ、みっちゃんそれは」
「え? 真田舞莉に妹? まさか~」
「本当だよ! 」
みっちゃんがいくら言っても無駄だ。帆乃水はそういうのを分かる(父親が雑誌の編集者)ので、みっちゃんを止める。
「え~と、私は凌川みちるです。帆乃水や凛子の幼なじみで鈴ヶ屋に住んでます。テニス部副部長だよ~」
「この子、ほわほわしていて危なっかしいから皆も気ぃつけてえな」
「あはは、確かに」
「ひど~い」
「じゃ、次! 篠宮悠花、美術部、矢川市住み! 」
「悠花ってばせっかちなんだから、もうっ。あ、私は新田華」
「ほほう、仲良しですねえ」
「ほんまやな」
自己紹介も終わりに近づいてきた。シルディはなぜか黙っている。
「今回の女子会兼誕生日会を企画した宮島春香です。華道の先生を目指しているので華道部に入ってます。帆乃水たちと同じ鈴ヶ屋に住んでいます」
「さっすが委員長! 」
「華道かー凄いね」
華道とは初耳だ。目を丸くする私や帆乃水、みっちゃんをよそにシルディの自己紹介になる。
「シルディです、えと、矢川市に住んでます」
「美術部なんだよね? イラスト、上手なの? 」
「そりゃあ、シルディさんはすごいよ。部長から褒められていたもん」
「凄いね! 」
自己紹介も終わり、私たちは仲良くご飯を食べ始めた。そして、明るい話題もつき少し暗い話に。そう、委員長は人のことを詳しく知りたがるのだ。過去もさらけ出さないとならない。
読み方
有栖川宮 遙妃 ありすがわみや はるひ
佐波条 愛莉 さわじょう あいり




