第六十九話 マッドサイエンティスト
「さて、と。そろそろ化け物を見てきますね」
「はい、いってらっしゃい、師匠様」
桜高校付近は大変な騒ぎになっていた。変な柄の服を着た人が主にうろうろしている。
私は中に入り、化け物のところに向かった。案の定、友情劇という茶番が繰り広げられていた。
「ミーナ、しっかりして」
「やっぱり私には……」
「私が看病するからユーリは戦って! 」
「分かったわ、リサテア」
私は鼻で笑う。バカみたい。結局最後には裏切られるというのに何で信じているの?
仮面をきちんと被り、ユーリたちの前に立つ。
「な、何者!? 」
「私がこの化け物を生み出したの。フフ、少しは褒めてもいいんじゃないのかしら? 」
「なっ……」
化け物の触手は何本か落とされたようだった。可哀想に。新しくつけてあげなくちゃね。
ポケットの中から液体の入った小瓶を取り出し、化け物の傷口にふりかける。化け物は叫び、再び元気になる。
「さあ、殺してしまいましょう! 戦争の残留物を! 」
「えっ、ちょ」
3人とも見事に避ける。ふん、戦争を生き延びただけあるわね。
「……さあ、さっさと殺すわよ」
リサテアが少しケガをしただけ。ち、もっと研究しないと……。
「バレたらマズいから去るわよ」
「待ちなさい! あなたは一体」
「あなたがよく知る人よ。忘れちゃったのかしらね、バカじゃない」
私は鼻で笑ってやった。──例え覚えてなくてもいい。
パトスは完璧に人形と化したようだ。善良軍団とかいうふざけたやからをこき使っている。
「おや、呑気にうろうろしてどうした」
「化け物は順調でしたが、さすがに戦争を生き延びた悪魔は殺せませんね。もう少し研究しますよ」
「うむ、分かった」
私は高笑いがとまらなかった。アハハ、パトスが素直になったわ、アハハ。




