第六十五話 黒い噂
「そろそろ休憩にしましょう」
「はあい」
今日は寮の大掃除。朝からいないアルキドゥと護衛の仕事が入ってる2人以外で大掃除をしている。かなり大変だ。
「そういえばみんなはアルキドゥが何をしているのか知ってるかしら」
「え、何ですか」
「暗殺してるらしいって噂なの」
「怖いですね~」
噂好きのティカトリスが仕入れたてほやほやの噂を早速している。しかも、仲間であるアルキドゥのよくない噂話。
「アルキドゥは仲間なのにどうしてそんな噂を」
「──ユーリ、アルキドゥの初日の仕事っぷり知ってるの? 」
「え、いや、アルキドゥが話をしてくれないので……」
「それがね」
その時、変な音が聞こえた。ティカトリスは目を輝かせ、率先して走っていく。私達もついていく。
音の発生源はスワルド家本屋敷だった。スワルド家本屋敷の周りは野次馬だらけ。イリスがティクトペアさんに支えられて出て来た。
「イリス、何があったの? 」
「──お父様が殺されたわ」
野次馬たちがざわつく。スワルド家の当主が!?
「どうしましょう、私、お父様から何も聞いていないわ……」
「イリス……」
ティカトリスの指示で私達は寮に戻ることにした。寮に戻り、応接間でティカトリスは私達に剣をくれた。
「これからはサボっていた分、剣の修行をやるわよ。あなたたちにいつ危険がせまるか分からないから」
「分かりました」
やっと私の夢である剣の修行をやることができる。嬉しいが、犯人がこの敷地内にいると考えると怖くてたまらない。
「人を深く信じず、常に剣を所持しなさい」
「はい」
ティカトリスはいつもの感じより真剣な眼差しになっていた。私達は解散すると、一言も喋らずにバラバラにわかれた。
「本当に、どうして」
私はその場で泣き崩れた。




