第六話 桜高校、恐怖の夜
それから私は桜高校についてもっと詳しく知ろうと思い、東京から帰った翌々日の昼休みに図書館に入った。別館で二階建ての図書館はかなりの蔵書数をほこるらしい。
「あら、珍しい子ねー」
「こんにちは。あの、桜高校について知りたいのですが」
「それなら二階の資料室に行くといいわよ。階段上がってすぐよ」
「分かりました、ありがとうございます」
二階は資料室と古書庫(10年以上前に発行され、貸し出し数が減っている本をしまう場所)があり、資料室では桜高校について知れるらしい。
「シルディ! 見かけないと思ったら……」
「土曜日からここにいるの。もちろん、お風呂は入ってるんだけど」
「ねえ、何かあったの? 」
「まあね」
壁には主な出来事が桜の形をしたピンク色の紙に書かれて貼られており、とても綺麗。思わず見とれていると血のような色の紙もあった。それには──。
「『1984年7月25日、桜高校恐怖の夜』」
「それ、何なの? 」
「悪魔の中でも一番恐ろしいプテリア・トルテッチ族が起こした連続殺傷事件。被害者は17人、生き残ったのは2人。生き残った2人は精神科から二度と出てこれないはず」
「悪魔が……」
「この高校、古いから悪魔が集まりやすいの。私だってそうだし宮島家もそうよ」
「じゃあこういう事件がいつ起こるのかも分からないわけ? 」
「そうとも言える。宮島家の目の前で起こすバカはきっといないはずよ」
「だといいなー」
その事件のことをもっと知りたくて、シルディに尋ねることにした。やはり再発したら怖い。
「ねえ、シルディ。どういう事件だったの? 」
「……その日は遅くまである部活だけメインメンバーが残っていたの。顧問と共に合宿するため。今はその合宿舎は事件の影響で誰も入らないけど、当時は当たり前だったらしいの。
部長が少し自主練をしようと外に出たら──悲鳴をあげる暇もなく、悪魔に食べられてしまったの。他の部員の内2名──生き残った人達ね──は目撃して、悪魔だあ! 、って叫んだわけよ。でも誰も信用しない。そしたら次々と皆襲われて、2人はまあ少し気絶させられる程度の傷を負ったわけよ」
「……恐ろしい」
「悪魔たちもそれで危機を感じたの。それで最初に私のお母さんがまず対応におわれたわけよ。だって、遺体が食べられてるなんてあり得ないでしょ? だから遺体を作り上げた。それで事件はおしまい」
シルディはもしかしたら、その事件のあとの桜高校を見に来たのかもしれない。お母さんが対応におわれたという事件の。
後ろの扉が閉まる音がした。え?
「ねえ、誰か見ていたみたいだよ」
「……昼休みに話す事じゃなかったかな。ここは普通に生徒会の資料室でもあるんだし」
「うん……」
昼休みが終わるチャイムが鳴ったため、私は急いで教室に戻る。一緒にお昼ご飯食べれなかった分放課後にカフェというかレストランで話そう。
放課後。今日は絵を描く気満々だ。私は夢中になって描き続けた。シルディも頑張っている。
そして、18時。スマホの通知音が鳴った。帆乃水だ。
『ほのほのだお:レストランに今すぐしゅうごー! 待っとるでぇ』
「今日はこれにて失礼します」
「あ、うん。今月末までにイラスト完成させてねー」




