第四十一話 長と監視人と
イライラしていたものの、善良軍団が確実に私みたいな幹部を殺しに来ている。神聖なるあの場所に侵入したのか? いや、それ以外の方法としては──。
──仲間を、殺す。私やハナの仲間を殺すことにより私やハナは弱る。当然のごとく、それをまとめあげるハイデベル様は危篤状態。
「ハイデベル様、ご無事ですか? 」
「わらわはもう、ダメじゃ……お主こそ、自分のことを」
「私は、どうなったっていいんです! 今お薬を」
アルロイド家の紅茶はいざという時のお薬にもなる。紅茶の茶葉を潰せば、お薬になるのだ。善良軍団が知らない秘密だ。しかし、善良軍団にバラすわけにはいかないのでもらった茶葉を一旦キッチンのところで保管する。その時に前もらった茶葉を取り出し、そちらを薬にする。
「──ありがとうな」
「あの、ハイデベル様。ハナは長に相応しい器ではないかと思います。なので、勘当処分を──」
「それはさせないわよ」
「イリス様、それにソフィアさん!? 」
ハナの母親であり、ハイデベル様の監視人・イリス様。彼女は普段は隠れているのに……。
その横のソフィアさんはスフィアの姉。髪がショートカットになっている。うわ、本当に男装する気なのかな。
「妹から全て聞いた。確かにハナは心が弱くなっているかもしれないが、今更イリス様を長にしてどうする? 意味がないだろう」
「それにハナは結婚しないのよ。ずっと長であるべきなの」
「……ふむふむ。だがしかし、わらわ的にはこの修羅場の中休息するのがおかしいと思うのだが」
「それなら、いい方法があるわ」
すっと誰かが現れた。3人とも美しい容姿をしている。
「ハイデベア三姉妹の長女・シェント」
「同じく次女・ソリア」
「同じく三女・ユン」
「な、何者じゃ」
「私達は戦うために生まれた道具です。善良軍団に全力で対抗します」
「……仕方ないのう」
イリス様はどこから彼女たちを連れてきたのだろうか。いつも謎すぎる。
「さあ、さっそく殺しに行きましょう」




