表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
chain  作者: 神崎美柚
叶わぬ夢
40/143

第四十話 希望

 私は殺戮がバカバカしいものに思え、今は大人しく引きこもっている。それだけではない。先日、久しぶりに美術部顧問として潜入していた桜高校から連絡が来た。美術部は休部なんだとお知らせが来た。善良軍団が派手にやったせいらしい。


「ナトリ、何の用」

「やだ~、決まってるでしょ? 帰ってこないから心配なんだよ」

「私は──お休みしたいと何度も言ったわ」

「へえ。そう。それで、スフィアのお屋敷に……」


 今、殺伐とした空気が広がっている。少し前に突然、長がやってきて泊まっている。しかし、それを許せないのがナトリ様である。同じ長として戻ってきてほしいと懇願している。


「スフィアも嫌にならないの? 」

「私はどうせここに1人だから別に……」

「──あなたもずいぶんと変わったわね、まあいいわ。いつまでも帰ってこないならもっと上のお方まで出てくることになるわよ」

「いるのかしら、そんな幻」

「もちろんよ、今は姿を隠しているけどね」


 ナトリ様は紅茶のおかわりを要求してきた。この人はアルロイド家の紅茶がかなり好きなのだ。

 キッチンで準備をしていると、応接間(ナトリ様と長がいるところ)から爆発音が聞こえた。あ、ま、まさか。


「どうしたのですか? 」

「頭にきた! あんたを勘当してやるっ! 」

「でも、別の種族のナトリに出来るの? 」

「今はそうやって呼び捨てだろうけど、私の方が先に長になってんだからね! ハイデベル様に訴えてやるんだから」

「──運命なら受け入れるわ。でも、ハイデベル様の判断次第かしらね」

「ハッ、知らないわよ、そんなこと。スフィア、紅茶の茶葉をちょうだい。あと、おかわり」

「今できました。はい、どうぞ」

「──ふう。それじゃあさよなら」


 茶葉の袋を抱えて飛んでいった。茶葉、あとどれくらいかな。


「私、大丈夫かしら」

「いざとなればお姉さまが文句を言いに行くわ。だから、大丈夫」

「……希望は、あるのね」


 長はずいぶんと弱っている。今すぐにでも誰か人間を殺さないといけない。しかも、ナトリ様も息巻いてギャアギャア言っていたものの息切れをしていた。紅茶もかなり飲んでいた。


「長、何があったんですか」

「──善良軍団が何かをしているのよ。おかげで私やナトリは瀕死よ……」

「それじゃあ」

「希望はあるわ」


 にこりと長が微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ