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chain  作者: 神崎美柚
生徒会長
34/143

第三十四話 シルディとリィデ

「少し、昔のことを話してもいいかな」


 悪魔のことはそもそも知っている2人は静かにうなずいた。

 私も興味があったので静かに聞くことにした。


────


 私が生まれたのは、50年くらい前のこと。悪魔たちはあまり若手がいないから大騒ぎだったらしい。お母さんは周りからちやほやされたんだけど、その後だった。

 お母さんは姿を消してティクシャアーノお姉さん──お母さんの妹がお世話してくれることになった。私は彼女がお世話好きでよくしてくれることから好きだったけど、でも、お母さんが必要だった。

 お父さんであるパトスが亡くなったのはそのころだった。不慮の事故。何でもないことよとティクシャアーノお姉さんは笑っていた。もちろん私は泣いた。

 そして大きくなった頃、私の元にお母さんが戻ってきた。すごくうれしかった。でも、分厚くてわけわからない本をくれて、消えた。


「きっといつか役に立つから」

「そうよ、シルディ」


 二人の笑顔はあまり信じられなかった。私は独り立ちしても分厚い本は読めなかった。怖かったというか、信じられない。

 私は他の悪魔とはあまり関われなくなった。母親のこともあったし、何より羽だった。私には羽がなかった。

 ひとりぼっちでいた時急に母親は私にchainを断ち切るよう命じた。おかしいと思いながらも断れなかった──。


────


「……つまり、シルディ先輩はまんまと騙されたんですね。殺人の口実に──」

「秋、殺意がわいてきたからって睡眠薬を開けないで」

「あんな魔女にこんなのは効かないですよね。ごめんなさい」

「あのさ、シルディ。ここに来てから──」

「凛子、私は楽しいよ。お母さんが敵でもね」


 シルディは笑顔だった。

 その後、話し合ったもののリィデと会う方法は思いつかなかった。だから、あの分厚い本を読むことにした。


────


 この本を誰かが読んでいる頃、我は死んでいるだろう。

 我はリィデのことを愛おしく思っていた。抗争の中、出会ったバラだった。当時、結婚前ということもあり我は婚約者として迎えいれたかった。

 だが、抗争が邪魔をした。兄らは父を殺そうとしている。仲間も徐々に力を持つ兄らに味方した。我は怒りのあまり、兄ら3人を殺した。仲間もついでに数人。

 そんなときに父が死んだ。血色の長を受け継いだ我の側は男だらけだったが、抗争が終わったこともありリィデを呼んだ。彼女は相変わらず美しいバラだった。

 だが──我は、彼女が魔女だということに当時気づけなかった。気づいたとき、既に我は精神的に衰弱し、体も思うように動かなくなっていた。我は大馬鹿者だ。

 これを読んでいる人、魔女を止めてくれ


────


 ここまで読むとシルディは本を閉じ、静かに泣き始めた。

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