第十七話 美術部顧問のある日
3月末のおひる。ポカポカ陽気が気持ちいい。
今日も中々いい絵画を描けた。人間の血を使って描くのはとても楽しい。
「スフィアさ~ん、失礼しますね~」
「あ、はい。どうぞ」
ゆっくりと片づけ、声の主である澤村優美を迎え入れる。彼女はアルロイド家の紅茶が目当てなのだ。
「4月から旅行と聞きましたが、どうされたんですか~? 」
「──素敵な風景画もたまには描こうかなと思いまして」
「あらあら、それはそれは」
人間の血が足りなくなってきた。それでは私の楽しみがなくなる。久しぶりに片田舎で殺戮をしようかしら。
「くかー」
「睡眠薬、いれすぎたわね」
睡眠薬で彼女を眠らせたのには訳があった。側に悪魔の気配を感じたのだ。
「……この高校、悪魔に好かれやすいとは聞いたけれどまさか、そんなはずは」
誰かに見られている──そんな気がしたので、彼女に手紙を残し帰ることにした。
「お帰りなさいませ」
「ただいま」
アルロイド家は殺戮を好む一家。しかし、私一人しか残っておらず、へたに動けなかった。
それでも私はこの地を宮島家から守るという任務を受け、桜高校美術部顧問として働いている。
「お久しぶりねえ、アルロイドの末裔さん」
「!? 」
誰かに抑えつけられ、気を失った。




