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chain  作者: 神崎美柚
Ⅱ 推理
136/143

11 行方不明の爆弾娘

 別館でスフィアとハナは折り紙を折っていた。スフィアが人間たちのとこから持ち帰ってきた物の一つだ。


「スフィア」

「あ、もう終わったの? 」

「ああ」


 ナイフさばきにとある奴が思い当たったが、奴──鎖は自殺した。だから、そんなことはありえない。

 勝手な推測はあげるべきではない。それに、まだ生きているなんてモーキュネストのシスターたちになんと言えばよいのか。だからこの考えはもうよそう。


「私はこれから、この包帯を変えにモーキュネストまで行く。その間、頼んだからな」

「分かった」

「いってらっしゃい」


 この特殊な包帯を自分で外そうとすると、激痛がある。どうやらシスターでないとダメらしい。

 モーキュネストに着くと、出迎えてくれたのはレンゲだった。どういうことだろうか。


「スミレはどうした? 」

「さっき起きたみたい。でも、私がここのリーダー。スミレは特にヒドいから」

「……そうか。リンに会いに来た」

「リンなら部屋にいるわ」


 部屋に行くと、扉は開いていた。中を見るとリンは疲れているのか、寝ていた。ノックをしてみると飛び上がった。


「うわあ、どうしたの」

「包帯」

「……ああ。そっか。無理に繋いだから頻繁に来てね。あの方がいればよかったけどもういないし」

「ほう。リンの師匠か」

「うん。尊敬している」


 包帯を彼女はするすると外す。新しい包帯を巻き付けてくる。


「私は未熟だから、あの方みたいには完璧じゃない。無理はしないでよ」

「分かった」


 帰り着いたら、私はまず行方不明のナトリについて考えよう。ハナへの対策は少しずつ、だ。

 館の入り口でロドノスと遭遇した。睨んできたので、お返しに踏んでやった。(私のブーツは戦前の騎士の物でかなり重い)

 とりあえず、相談相手として選んだのはナトリの元側近・ユグレイハム(自動的に解雇されたため、今はロドノスの下にいるらしい。)。


「ナトリか……本当にどこに行ったんだ? ユグレイハム、心当たりは? 」

「特にありません。ソフィア様の方がお詳しいのでは」

「……私はイリス達と戦う前に離れた。私がこの辺爆発しまくる、と意気込んでいた」

「そうですか。いつもどおりの長様ですね。行方不明になる意味がないと思われます」

「そうなのか……」

「ただ、中河原市近辺にいないのは確実です。私のような側近は気配も感じることができるのですが、西は中河原市までが限界です。東もその近くしか」

「……」


 ユグレイハムを連れ、中河原市に行くことにした。そこには赤穂がいるはずだ。

 屋敷のドアをノックする。


「赤穂」

「赤穂はいないわよ」


 後ろから現れたのは稲美。手には瓦礫。片づけていたのだろう。


「お前一人で片づけていたのか? 町一つボロボロになれば、人間でも数十年はかかるというのに」

「ん、分かってるって。『鎖』について調べるって張り切っている姉を止める訳ないでしょー」

「それは止めろ! 」


 鎖についてだと? なぜ、今更……。


「あの、長様はご存じでしょうか」

「え? 」

「ナトリ様のことです」

「私も瓦礫片づけているけど、見つからない。いや、生きているかもしれないけど」

「……」


 ユグレイハムは落胆したのか、中に入らずに去ろうとした。私は彼女を引き留める。


「つまり、この屋敷の地下に赤穂がいるんだな」

「そういうこと~。ご勝手に」


 私達は赤穂の元に行くことにした。

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