第十三話 人間の不幸
愛莉とは幼なじみだった。趣味は違っても仲良し。それがずっと続くと思っていた。簡単に崩れ落ち、今──もう二度と戻らなくなった。
目の前に横たわる愛莉。それは既に血の気のない死体になっていた。
状況がのみこめなかった。もう一度、元の関係に戻りたかった。なのにスマホをなくし、その挙げ句の果てに廃ビルに来て欲しい、と電話が誰かから来た。断りたかったものの、愛莉もその場にいるとなれば別だった。
──これは悪夢だ。
私はそう考えながら傍らに落ちている自分のスマホで110番する。愛莉が、誰かに殺された、すごい、悲しい。
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リィデさんはあのあと私達に桜高校恐怖の夜を語りたいと言い出した。なんと、生きている被害者から全てを聞いたのだと言う。
そして、まるでその被害者のように語り出した。
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俺は野球部の合宿にあまり参加したくなかった。何せ、顧問の村田はいびきが半端ないと噂にきいたからだ。それならまっぴらごめんだ、と断りたかったが選抜メンバーに選ばれたのだ。それなら、と俺は意気込んだ。
参加者は19人。顧問(とサポートの先生)5人、選抜メンバー9人、期待メンバー(1年生の中の選抜メンバー)5人。
俺は夕方までひたすら練習した。今年はダメだったが、来年こそ。来年こそは──。
「なあ、吉本。貴一知らねえか? 」
「ん、ああ。練習するんだぜ! って走って外に──」
ちらりと外を見ると、その貴一が──食べられていた(・・・・・・・)。
「「悪魔だ! 」」
「おいおい、んなわけねえだろ」
ところが、そう言った長谷も食べられた。外に出た村田も──
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「そしてそのまま、吉本くんは友達と共に気絶をし、何とか助かったものの目の前で友人を失い半狂乱状態。ここまで聞き出すのにかなり苦労したのよ」
「お母さん、その被害者の中に飯島って人は」
「ん? ああ、いるわよ。飯島夏帆の知り合いでしょ? お兄ちゃんと呼ぶくらい親しい」
「まさか、彼女」
「悪魔ではないわよ~死ねない飯島夏帆がそのまま生きてるだけ。早く死ねばいいのにね」
つまり飯島夏帆は過去の人間──。
その時、メッセージがきた。どうやら帆乃水はもうすぐ帰宅するらしい。
「あの、そろそろ帆乃水の家に」
「私も行くわ」
帰宅し、帆乃水と会った時帆乃水はぺっぴんさん、と褒めていた。
「さあてテレビを」
テレビをつけた瞬間、恐ろしいニュースが流れてつけたことを後悔した。
『先程速報が入りました。今日の夕方、橋乃元市の廃ビルにて女子高生が殺害される事件がありました。警察は被害者の佐波条愛莉さんは家出をしており、殺害現場である廃ビルに住んでいたことから通り魔による犯行だと推測しています』
佐波条愛莉が──殺害、された?




