第十一話 中河原市崩壊の被害全容
私は、幼い頃アニメで見た人の願いを叶える魔法少女に憧れている。だから、今まで人のお願い事を叶えてきた。欲しいものがあればあげた。
でも──私は結果的に全てを失った。それでも構わない。リサテアがいるから。
「おかしい、願いを叶えてあげたのに」
「よくある失ってから気づくってやつじゃないの? 」
「よく分からないね」
今回、中河原市を崩壊させ殺した人間は死ねばいい、と思われていた人間。愚かな人間の代わりをした。
ただ、それだけのことだ。
《中河原市崩壊 被害全容》
死亡者 254人
内、即死者 215人
負傷者 78人
ビル街 全ビル半壊
住宅 屋敷以外全壊
公共施設 全壊
これにより、副市長は矢川市に合併しても構わないとのコメントを発表した。
委員長の両親は亡くなった。それも焼死だった。
葬式の間、委員長は悲しんでいた。あんな人でも親だからね。
「そういえば高校、いつから授業再開なの? 」
「5月の一週目はお休み。その次の週からあるって。だよね~? 」
「うん、そうだよ。残念ながらスポーツ大会も体育祭も中止。一学期の行事はないって」
「そっかあ。私は一人暮らしになるんだけど、驚いたことにお母さん三年間の授業料もう払ってたんだよね」
「ひえ~」
そんな事実に驚きつつも、葬式帰りだと言うのにさっそく険悪なあの二人に目をやる。
「あの二人、大丈夫かな」
「さあね」
私の心を表すかのように、雨が降り出した。




