第百七話 鎖の痕跡
「菫、蓮華、菊、凛、茉莉亜、鎖、四奈、結衣、桔梗、山茶花、曙。これでシスター全員」
「その内、楽園の管理者を追っているのは? 」
「桔梗、山茶花、曙」
「行方不明は? 」
「菊、四奈」
「……半分近くどっかにいるんですか」
「リサテア、どん引きするな」
「四奈は仕方ないの。死んでいるのだから」
「……え」
「呪いが得意なのだけど、彼女、その代償に死ぬことを選んだの。どこかにいるはずよ」
桜高校の近くを歩きながら、鎖を捜す。私はシスター全員、知りたくて教えてもらった。
「菫姉さん! 」
「……あら、菊、蓮華。──リサテア、この二人は私の妹なのよ」
「へえ」
「それに凛子もいる」
「……あ、凛子。久しぶり」
「理彩、いや、リサテアだ、久しぶりだね」
「──感動の再会の前に菊、どこで何をしていたのかしらねー」
「デスヨネー」
「怒られるのが分かっていたのなら、答えなさい」
菫さんの笑顔が怖い。菊さんと蓮華さんは菫さんみたいに綺麗な髪をもっていた。
「私は人助けに明け暮れていたわけ。そしたら中々手強い自縛霊に出会っちゃった」
「そういうのに四奈と同じく強いあなたでも? 」
「そりゃあ、無理。だって、願いは私も幸せになりたい、だよ。これから奇跡の復活を」
「一体いつまでかかるわけよ! ──まあ、いいわ」
すると、上半身と下半身が見事に半分に分かれている死体が道路にあった。人はいない。
「うわあ」
「これは鎖の鎌だな」
「そうね」
「うっわー」
「凛子、大丈夫? 」
血だらけの道路。私も悪魔だけど、こんな無惨な殺し方は……。
そこに、山茶花のような髪色の人が現れた。この人が、山茶花さん?
「昔から迷惑かけすぎだ、全く……」
「山茶花、あなた」
「楽園の管理者は今、地上に降りている。これから無惨な行為を行う気」
「そんな」
「だから私は曙たちから離れて、人間たちをどうにかしている」
殺された人間に触り、元に戻していく。凛さんより凄い。
「──中河原市のことは放置したあなたがなんで急に」
「天秤が狂うから。時の管理者は嘆いていた」
「……」
山茶花さんはさっさといなくなった。倒れていた人間は起きあがり、何事もなかったかのようにいなくなった。
「この鎖の痕跡をたどればきっと、大丈夫」
菫さんはほほえんだ。




