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「ごめんね、晴夏。僕はまた、間違いを犯してしまったみたいなんだ。それはひどい勘違いなのだけれど、僕の言葉は絶対のようでね。誰も訂正することができないんだ。このままだと僕は殺されかねないから、一足お先にここを去ることにしたんだ。だから、後片付けはよろしくね、晴夏」
それが俺が幼馴染から聞いた最後の言葉だった。
あいつはその言葉通り、次の日には実家を離れ一人暮らしを始めたらしい。なぜ断言しないかって?それは、俺はあいつと幼馴染という関係ではあるが、その肩書きだけで実際はクラスメイトより薄い関係性しか持ち合わせていないからだ。
だから俺はあいつの引越し先なんて見当もつかないし、あいつの残した言葉の意味だって、心底理解していない。する気もないけどな。
ただ一つ、分かることがあるとすれば、これから厄介なことに巻き込まれるということぐらいだ。それも殺されかねないような何にな。
あいつはいつだって厄しか振りまかない。
とんだ疫病神だよ。
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