恨みの一撃
シェイルは、動かなかった、いや動きたくもなかった。
冷め切ったガストを抱えたままうごかなかった。
「笑える、ハズは・・・ないよ。」
シェイルは、涙を拭きとり腫れた目をこすりながら庭のスコップに手をかけせっせと掘り始めた。
大体大人一人分入れるようなスペースを掘りガストを丁寧に掘ったスペースに入れ土をかけて行った。
そして、少しの山が出来た所に破壊された家の残骸に”ガスト此処に眠る”と書きその少しできた山にそれを突き刺した。
シェイルはその上に倒れるように横になった。
そして、シェイルは深い眠りに付いた。
「ホーホケキョッ」
聴こえてきたのは鳥のさえずり
感じたのは、温かい風
見えたのは青い空
午前二時ぐらいだろうか。
「んっ」
シェイルは、目をこすりながら起きた。
「ここにはどうせいられない。荷物をまとめて家を出よう。」
荷物をまとめていると知らないカバンがあった。
中を開けてみると。
黒く輝く刀身に中央に入った一本の赤い線の双剣が入っていた。
「父さん。」
輝く刀身を見ながら涙をぐっとこらえた。
良く見たら赤い線の上に小さく掘られていた。
”紅姫”
そう掘られていた。
シェイルはギュッと柄を握り
「もう、いく」
「もう、僕には誰もいないんだから。」
笑えない。
荷物をまとめたバックを持ち上げ凍てつくような目で家を後にした。
そこは森動物たちが行きかう森シェイルは静かに双剣を構えた
「貴様だな!!」
片方の剣で巨大なクマを指した。
”ビグベアー”
この森では、一番強い魔物だ。
ビグベアーの突進をまともに受けたら――――即死
双剣を強く握り直し後ろから奇襲をかけた。
両手をクロスさせるようにして一気に広げるように切る背中を切る。
「――――――――!!」
甲高い耳に響く音
奇襲は成功
手首をひねり今度は閉じるように切る。
すると、こちらを向きビグベアーは突進してくる。これをサイドステップでかわし
「フッ!!」
左足を軽く切った。
この武器がいいからだろうか?
切った左足はグロくえぐられビグベアーは突進してきたにもかかわらず倒れていた。
その場所から一気に近ずき何度も何度も切る。
「―――!」
立ったビグベアーを見ていったん引き様子を見る
ほぼ攻撃が入ったから自分もビグベアーも疲れは出てきている。
あと少しだ。
相手は、動きも鈍っている。
シェイルは、木を垂直に昇り、足で”タンッ”と木をけりビグベアーの頭めがけてに落ち始めた。
重力に逆らわず頭からビグベアーの頭にめがけて体に平行に双剣を突き出し、
グチャ!!
ビグベアーの頭に双剣が刺さり不気味な音がした。
「―――――――!!」
ビグベアーは頭に双剣が刺さり声を上げながら絶命した。
「これで借りは返した。」
剣についた血と自分のほほに落ちた涙を払い落しながらシェイルは帰って行った。
次の日、ビグベアーの討伐組が組まれたが報告は”何ものかに倒されていた。”だった。