表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/35

第二話「剣と魔法と知らないおじさん」③

 森に道はなかった。


 あるいは、あったのかもしれないが、三人には見つけられなかった。夜久が先頭を歩いて、ゼータがその後ろに続いて、蒼依が最後尾で周囲を見回しながら歩いた。


 歩きながら、蒼依がゼータに話しかけた。


「ねえ、この世界って魔法とかあるの」

「分からない」

「剣で戦う人とかいる?」

「分からない」

「何か分かること、ある?」


 ゼータは少し間を置いた。


「森がある、ということ」

「……それは分かるね」


 夜久が前を歩きながら言った。


「ゼータ。知らないおじさんは、なぜ俺をここへ連れて来いと言ったんだ」

「言わなかった」

「何も言わなかったのか」

「連れて行け、とだけ」

「どんな人間だった」


 ゼータはしばらく黙った。歩きながら、何かを思い出そうとするような間があった。


「……おじさん」

「それ以外は」

「白い服を着ていた。あとは……」


ゼータの声が少し止まった。


「あまり覚えていない」


 夜久は前を向いたまま言った。


「信用できるのか、そのおじさんを」

「分からない」


とゼータは言った。


「でも悪い人ではないと思った」

「根拠は」

「……なんとなく」


 蒼依が小声で「なんとなくで別の世界来てるの私たち」と言った。

 夜久は答えなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ