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第二話「剣と魔法と知らないおじさん」②

 三人はひとまず、その場に座った。


 倒木があった。蒼依がそこに腰を下ろして、鞄を膝に乗せた。夜久は影桜を鞘ごと地面に立てて、ゼータの顔を見た。ゼータは立ったまま、木の幹を眺めていた。


「来たことはあるか」


と夜久は聞いた。


「……ある、ような」

「ような」

「ない、ような」


とゼータは続けた。


「どちらとも言えない」


 蒼依が口を挟んだ。


「記憶があいまいってこと?」

「記憶というより」


ゼータは少し考えた。


「知っている気がする、というだけ。」

「勘ってこと」

「……そうかもしれない」


 蒼依が夜久を見た。夜久は軽く頷いた。これ以上聞いても出てこない、という意味の頷きだった。


「とりあえず」


と蒼依が言った。


「整理しよう。私たち今、別の世界の森の中にいる。帰り方は」


 夜久がゼータを見た。


「分からない」


とゼータが言った。


「帰れるのか」

「……たぶん」

「たぶん」

「うん」


 沈黙があった。木々の間で、また鳥が鳴いた。遠い声だった。


「まあ」


と蒼依が言った。妙に明るい声で。


「死んでないし、怪我もないし、とりあえず最悪じゃないか」


 夜久はそれには答えなかった。答える代わりに立ち上がって、影桜を持ち直した。


「動こう。ここに留まっていても何も分からない」

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