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第四話「泣かない子」③
村を一回りして、大通りに戻ってきたとき。
「あの」
声がした。
小さい声だった。
三人は足を止めて、声の方を見た。
路地の入り口に、女の子が立っていた。
年齢は七、八歳といったところか。
亜麻色の短い髪に、くたびれた麻の服を着ていた。靴の先が少し泥で汚れていた。目が大きくて、その目が、三人をまっすぐに見ていた。
両手をぎゅっと握り合わせていた。
「旅の人、ですか」
「そうだ」
と夜久は言った。
女の子は少し間を置いた。何かを決意するような、短い間だった。
「お願いが、あるんですけど」




