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桜庭 琴葉:2

ここだけかなり説明回になってしまってます。

知らんわそんな設定ボケ!という方がいらっしゃいましたら飛ばすか最後のほうだけ読んでいただいても得何かわからなくなるということはないかと思われます……

体調不良で帰って来たって伝えるとお母さんは今朝のわたしの様子もあってかすごく心配していた

 けどお姉ちゃんがお母さんをなだめてくれて私はそのまま部屋に連れていってもらって車の中の続きを話してくれている。


「そういうの元いた世界の漫画でありまし…あったかな

 悪役の連合と正義のヒーローたちがいて皆が能力を持ってる世界で…みたいな」


「限りなく近いような遠いような話なんだけど、まずそんな漫画みたいに綺麗に分かれてないし、そんな常に背中から羽が生えてたり腕が沢山あったりする人もいない」


「ええっと…ごめんなさい、じゃあ何が危険なのか全くわからなくて…」


「まずこの世界っていうかね、この国には…いや違うな…各国には1番上の人が居ます

 その人とその人の周りにいる人達が[議会]ってこの世界の日本では呼ばれてるわけね

で、基本はその議会の人達がその国のことなんでも決めちゃえるわけよ

 ここまではOK?」


 お姉ちゃんは先生が授業をするみたいに今わたしがいる日本のことをお姉ちゃんなりに分かりやすく説明してくれている


「でもその人たちが色々決めるってことは…あんまり元いたとこと変わらないような気がする…

 だってそういうのって選挙とかで」


「無い、選挙って言葉はあったのはあったけどこっちではとうの昔に無くなってる

 もはや古文とかの世界の話」


「じゃあ議会の人達はどうやって決まるの?」


()()

 争って勝った人が次の議会になれる」


 普段テレビの世界でしか聞かないような言葉に心の奥がキュッとなった

 国と国が戦うのは教科書とかニュースとかで見たことはあったけど…

 国の中で人達が戦うなんて事…あんまり聞いたことがなくて…


「国のアレコレを決めれるってんだからそりゃ超能力だのなんだのつかって議会乗っ取ろうとするやつも出てくるわけよ」


「でもそれじゃあ議会の人がその属性?って言うのをみんなに渡さないようにすればいいんじゃないかな?」


「ソレね、昔の琴葉も言ってた……だから…いや、ごめん。本筋に戻すわ

 無理、それはできないようになってんのよ」


「なんで?だって国のこと決めれるなら」


「議会が決めれるのは国のことだけ、世界のことを決めるのはまた別の存在が居る

 多分こっちの言葉で説明しても難しいだろうけど…んー……神様?そうだ、そう神様みたいな存在」


「じゃあ神様が18歳になったら属性とか武器をくれてって言うこと?」


「そんなサンタさん方式じゃないんだけど…

 てか多分この話深掘りしてると1日で終わんない、本筋に戻していい?」


「あ…ごめん…」


「で、さっき言ったみたいに議会を乗っ取りたい人達がいるって話したじゃん?

 そういう人たちを反議会って呼んでるのね?」


「うん…その人たちが危険な人たちってことだよね?」


「そうそう、だから議会の人達もそういう人たちを退治してねって言ってるわけよ

 なんなら退治して貢献したらお金とか諸々貰える」


「じゃあ悪い人たちをやっつける人達がいて…って

 あれ?そうなるとやっぱり漫画で見た話に似てるなって…」


「こっからがちがうのよ、議会とか議会サイドの人間をとにかく減らして力をつけたい反議会側と議会から恩恵を得たい議会側は

 自ずと目的は違えどやることは同じだからって固まってくるのよ」


「そうするとどうなるの?」


「反議会地区と議会地区で分かれるわけ

 反議会地区はもちろん議会に反してるわけだし、勢力も拡大したいから議会地区にどんどん攻め入ろうとしてくる

 それに対してこっち側は報酬は欲しいし生活を守りたいしで応戦するよね?

 じゃあどうなりますかって話」


「…戦争?」


「そう、どこかしこに反議会の人間が居て襲ってくるかわからない状態」


「じゃあ戦争にさえ気をつければ大丈夫なんだよね?」


「いっちばん最初に武器の話したと思うんだけどさ、これが属性を使うトリガーになってるのよ

 つまりこれがなければ属性は使えないのね?」


「…うん」


「で、この武器は他人の武器を取り込んで自分の属性を強くすることが出来る

 つまりは…わかる?」


「強くなりたい反議会側の人達が唐突に襲ってくることがある…?」


「そう。それだけならまだしも強くなりたいがために同陣営を襲うやつだっている」


「でも武器を取られたら属性が使えなくなるだけでしょ?」


「いや…考えてもみてよ?襲われるんだからこっちも防戦に出るとどうなる?」


「戦うことになる……かな?」


「他陣営相手ならそもそも生かしておく意味なんてないし、同陣営相手だとしても襲った相手を生き残らせて警察とかに駆け込まれたら?」


「…襲われたらほぼほぼ死んじゃうってこと…?」


「そういうことよね、身を守るために武器を携帯する人は当然増えるし

 もちろんそれを見て襲いかかってくる奴らもいる」


「そんな中で通学とか…通勤とか…大丈夫なの?」


「大丈夫じゃない時もある、けどこっちの学校では戦闘訓練とかもあるし…

 まあそんな事してても死ぬ時は死ぬ」


「でも今の私には属性(ちから)武器(ウェポン)もないから…そんな問題あるかな?」


「いやいや、戦うって何もお互い剣持って河川敷でチャンバラするわけじゃないのよ?

 唐突に爆発が起きたり、火炎が吹き出してきたりするの

 巻き込まれたらひとたまりもないわ」


「でもでも…それだと学校に行けないよね?」


「もうね行かなくていいまであるんだけどさぁ…

 え?この話聞いてまだ行きたい?」


「頑張って…勉強したし…制服かわいいし…」


「うちの妹って平和ボケするとこんなに腑抜けになるんだ…

 わかった…ならもう属性つけるとこから始めよ」


「どう…やって?」


「いや…それがわかんないから困ってんでしょ

 とりあえず元の琴葉が残してったもんがないかこの部屋探すよ」


 そんなわけでお姉ちゃんとわたしの家探しが始まったけど

 ここで暮らしてたわたしは結構ミニマリストみたいで、元のわたしの部屋より綺麗に整理整頓されていた


「…なんかこざっぱりって感じですぐ終わっちゃうね」


「まああの子あんまり物への執着なかったからね」


「と言うよりここの地域ってどういうところなの?平和?議会派って言うのかな?」


「んー、一応議会派かな、地区長は傍観主義だしあんまり積極的にこっちからはガヤガヤしない感じ

 治安は各々で自治築いてるよって感じだしね」


「警察とかもいるんだよね?」


「警察…んー、まあそうねさっき話の中で出てきたみたいに一応そういうのもある」


「ここの地域に住んでる人は皆議会派なの?」


「一応そういうことになってるけど反議会派も紛れ込んでると思う

 どの地区でも一定数は居るもんだし」


「お姉ちゃんとお母さんは議会派?」


「お母さんはバリバリ議会派…って、待ってこれ置き手紙じゃない?」


 世界は違ってもお姉ちゃんは私の知ってるお姉ちゃんだった

 常にダルそうだけどなんだかんだお世話してくれて、乗り気じゃなさそうだけど毎回付き合ってくれて


「あ…ほんとだ。私へって書いてあるね」


 お姉ちゃんが見つけてくれたその手紙は真っ白な封筒に大きく「私へ」って書いてある

 お手紙を書くならもっと可愛い封筒を選んだと思うけど、わたしとここのわたしはやっぱり違うみたい。


「ほら、さっさと中見て」


 お姉ちゃんに言われるがままに手紙を開いてみる

 ちゃんとそこにはわたしの字で『ごめんなさい』からはじまっていた。


『ごめんなさい

 多分こんなところに呼ばれて今1番混乱してると思う

 私はこっちの桜庭琴葉です。

 て言っても多分ここら辺の説明はお姉ちゃんからざっくり聞いた後だと思うから、そこは省くね

 まずこの世界は多分今の私にとってはとっても危険だと思う

 一応1番似てる私を選んだつもりだけどそれでもこっちはかなり危険

 正直死なないってことだけに意識を置いて生きて欲しいけど、多分そうも行かないと思う、だって私だもんね

 だからせめてもの自衛のつもりで属性を付与してあげたいと思うからクローゼットの1番下の棚の引き出しの中に色々入れて置いたから使ってください。

 あと私はこっちで目的を果たしたらすぐに戻ります

 それまではお願いなんだけど死なないでこっちで生きて欲しい

 そこら辺はお姉ちゃんにもお願いしてる、お母さんは何も知らないからあんまりびっくりさせないであげてね

 多分そっちの私と同じならすごく心配性な人だから

 最後に約束、私とわたしお互い死んでしまわないように

 これだけは約束してね

 

あと追伸

 変なこといっぱいあると思うけど首は突っ込まないこと!!危険だと思ったら生きること最優先でね!』


「ねえお姉ちゃん、こっちの私の目的ってなにかな?」


「詳しくは知らない、てかそんなことよりクローゼットのとこ開けてみなよ」


 そうだ、確か手紙にクローゼットの中の一番下の棚の引き出しに色々入っているって書いてたな…

 書かれてたのってこれだよね?いきなり爆発とかしたらどうしよう…

 そう思いながらゆっくり引き出しを開けてみる


「…水晶玉?」


 引き出しを開けると手のひらくらいの大きさの透明な水晶玉が入ってる

 占い師の人が持ってそうなツヤツヤの綺麗な水晶玉だった


「うっわ…属性じゃん…こんなん用意してたって…

 一体どういう方法使ったのよ…」


「え?属性?これが?」


「そうそう、これが送られてくる属性

 これに触ると自分の属性が出てきて付与されて武器まで出てくる」


「触っちゃっていいの?」


「触るしかないでしょ…無能力のまんまじゃ私も守り切れる自信ないし」


 目の前にある水晶玉が急に怖く感じてきた、これに触っちゃうと私は…多分ものすごい能力を使えるようになって…


「でもどうしよう…触った瞬間すごい炎が暴発したりとか…」


「無い、ウチの家系的にそれは無い、多分」


「すっごく大きい剣とかがでてきたら…」


「今のアンタ見てる限りだとそれもないとは思う…

 って言うよりさっさと済ませてよ、無駄にハラハラしてんだからこっちも」


「まって!心の準備とか!」


 お姉ちゃんは私の手をグッと掴んで水晶玉に触れさせた

 その瞬間だった


「あっ!!!」


 水晶玉がピンク色に光った

 まるでカメラのフラッシュみたいに部屋がピンク色に染まったの同時に私は目を瞑った


「ちょっと?いつまで目瞑ってんの?」


 お姉ちゃんに肩を揺さぶられてゆっくりと目を開ける

 まだ目の前に薄紫色の残像が残る中で水晶玉を見てみるとそこには「移転」の文字が浮かんでいて、水晶玉はピンク色に変わっている


「移転?」


「うん、それが属性」


「この水晶玉は?」


「これはもう使い道ないけど、まあ皆は保管してるね

 自分の属性が書かれたものデカデカと見せることもないし、こっそり保管してる」


「そうなんだ…」


「と言うより、重要なのはこれ」


 そう言ったお姉ちゃんは水晶玉の前に転がっている玩具の光線銃みたいな物を拾い上げた


「え…これがもしかして…」


「そういう事、これが属性武器(ウェポン)


 ピンクと水色のカラーリングのおもちゃの光線銃みたいな…

 引き金を引いたら今すぐにでもアラームみたいな音がなりそうな…

 なんなら百均とかで売ってそうな壊れやすそうな玩具の光線銃


「どうやって使う…の?」


「知らない、多分引き金引いたら何か起こるんじゃないの?」


「えっ…でも危険なこととか起こったりしたらどうするの?」


「『移転』だしそんなに危険なことは起こんないでしょ…

 それにほかの属性武器も食べさせてないしさ」


「属性の使い方って…どうやって分かるの?」


「学校での戦闘訓練だったり、ある程度属性とか武器から推測して何がどこまでできるか試したり…」


「こういうのって不思議な力で頭の中に使い方が流れ込んで来るって感じじゃないの?!」


「そういうことが出来る属性の人も居るけど基本はこんな世界だし…基本はみんな最初は模索だね」


 ポンと手渡された光線銃を見つめながら使い方がわかるように念じてみたけど、やっぱりうんともすんとも分からなくて…

 だけど無闇に引き金を引くのもなんだか怖くて…


「どうしようこれ…」


「とりあえず暫くはどこに行くにも私が送り迎えするわ…

 学校とかも行くつもりなんでしょ?」


「行きたいなぁとかは思うけど…ちょっと…心もとない…」


「属性に関しては模索してこ。ちゃんと手伝うからさ?」


 こっちの世界に来てからわずか数時間

 わたしはこの不思議なカラーリングの玩具みたいな武器と意味のよく分からない属性を手にすることが出来たみたい…

 危険らしいこの世界で、私はこれから上手く生き抜いていけるのかな…


 不安はまだあるけどそれと同じくらい分からないこともある世界で

 ちょっとしたドキドキと大きな不安が心をいっぱいにしてる

 どうか…上手くやって生けますように。


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