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令嬢飼育法

 よく。婿入りの父親が、総領娘を虐げ。愛人との子に爵位を継がそうと云う話はよく聞く。

 総領娘の婚約者を愛人との子に娶せようと言う感じだ。

 大抵失敗する。


 いつも、不思議に思っていた。何故、そんなことをする?

 意味不明だ。


 女伯爵が亡くなり。私は、ただの配偶者、総領娘が跡を継ぐ間のつなぎでしかない私は、一計を講じた。


 愛人の母娘を、家に使用人として招き入れて、厳しく教育する。


 そして、総領娘を過保護に育て、無気力にするのだ。



「あら、お嬢様、そんな問題も出来ないのですか?私がやって差し上げますわ」


「え、自分でやりたい・・・」

「その方が、効率が良いです」



 ・・・・・


「まあ、お嬢様、階段に登るのですか?独りで登っては危険です。万が一のことがあったら、大変です」

「でも、手すりにつかまれば」

「いいえ。私の手を掴んで下さい」



 ・・・



「独りで寝たいわ」

「いいえ。夜、賊が来た時に、私が身代わりになります。さあ、ベットを少し空けて下さい」



 ・・・・・


 こんな感じだ。一日24時間、メイドを張り付かせ、過剰に世話をさせる。

 たったこれだけで、人は無気力になるのだ。



「あの、手紙を書きたいので、便せんを持って来て下さい・・」

「まあ、お嬢様、私が代筆をしますわ。誰に書くのですか?婚約者のロメオ様ですか?」

「いえ、いいですわ・・」


 しかし、この方法、他家から、不審に思われる。

 病弱で、お茶会にも行けないことにしている。



「はあ、お父様、疲れたわ。いくらなんでも、お母様と一緒に、交代であの無気力女に張り付くなんて・・・」


「成人して、爵位を継ぐまでの我慢だ。そしたら、閨も、代わりに勤めればいい。ロメオ君との子供を、エミリアの養子にさせる。断罪、婚約破棄をする必要はないぞ。

 何でも、読まずにサインをするようになったら、飼育成功だ」



「でも、たまには、王都でショッピングをしたいわ」

「そうよ。成人の18歳まで、後、3年だわ」


「そうか、考えてみる」


 使用人ギルドでは、噂が流れる。そしたら、王家の監査が入る。



「冒険者ギルドで募集を出そう。秘密を守れる者、メイド業務だ。なるべく、無能がいいが、そう書くと、不自然だ。口数が少ない者、話し下手でも可だ。給金は安く設定しよう」


 そして、いかにもな二人が来た。



「は、初めまして!アンと申します。メイドはランドリーメイドをしていました!お話は苦手です」

「アリサ・・・です」


 ほお、これは、いい。いかにも無能な二人だ。一人はおっちょこちょい。

 もう一人は口数が少ない。とぼけた顔をしているな。黒髪と黒・・少し青いか。黒髪族ではないな。あれは、不確定要素が多い。

 時には、とんでもない事をするときく。


「じゃあ、頼んだよ。上手く仕事が出来たら、続きもあるし、お給金を上げられる。秘密を絶対に守ることだよ」


「はいなのです!」

「はい・・・」



 とりあえず2週間頼んだ。

 メロディとアマンダに、仕事を教えさせて、二人は、ショッピングと観光で出かけた。



 ・・・・・・



「あの、その、お嬢様は、病弱と聞きいています。階段の上りの補助をさせて頂くのです!私が先に登って、手を差し伸べるのです。キャア」


 ズドドドーーーーーー


「フエ~ン、私が階段から落ちたのです!」

「アン先輩、大丈夫?」


「まあ、大変、お怪我しましたわ。薬箱を持ってきますわ」


 タタタター、


「あ、私、独りで、階段を登っている・・・」


 不思議な二人だった。はっきり言って、メイドとしては無能だと思う。


「あ、猫ちゃんが、木に登って、降りられないくなっているのです!」

「お嬢様、助けにいって、いいですか?」


「え、はい、どうぞ」



・・・・・


「勉強をしたいのですが・・・」


恐る恐る聞いてみた。また、勝手に問題を解かれるのだろうか。


「ヒィ、勉強できないのです。アリサさん。お願いなのです」

「お嬢様、分からないことがあれば、お聞き下さい」


「メロディから、何か言われた?」


「いえ、何でも代わりにやれと、しかし、お嬢様は、自分でやりたいと意思表示をされました」


 あれ、何かおかしい。でも、自分で考えられる。



 そして、夜も、一緒に寝るが、大声で起きた。



「ウエ~ン、捨てないでーーー」


 ガバ!


「アンさん。大丈夫?」

「先輩の寝言・・・幼い時に、貧農で貧しくて、捨てたれた。その夢を見ているのだろう。手を握ってあげて欲しい」


「まあ、大丈夫よ。大丈夫・・」


「グスン、グスン、ママ-」


私の不幸なんて・・・ダメ、人と比べて、幸福なんて、失礼だわ。

 


・・・・



「手紙を書きたいのですが・・・」


「はい、便せんなのですね。探すのです!」

「はい、ここにありました」


 聞いてみた。手紙の代筆をされるのだろうか?



「はい、希望であれば・・」


「お父様から何かを命じられた?」


「秘密は絶対に守れと」

「そうなのです。お嬢様の秘密は絶対に話さないのです!」

 


・・・この子たち、もしかして、


「じゃあ、独りになりたいと言ったら・・かなえてくれる?」


「え、その、いつも、一緒にいろと言われたのです。どうして良いか分からないのです」

「この屋敷の最上級者は、お嬢様です。旦那様は、代行に過ぎません。命令の優先順位に従います」

「さすが、アリサさんなのです」



 そ、それじゃ。


「少し、独りにして下さい」


「はいなのです」

「はい、お嬢様」



 それから、独りで階段を登る。夜は独りで寝る。独りで考え事をしたいときは席を外してもらった。

 ささやかな自由、言うことを聞いてくれる使用人、最高だわ。



 そして、2週間後



「おい、二人。給金だ。秘密は、絶対に守れよ」


「はい」

「はいなのです」


「うむ、娘も変わっていないし、また、頼むか・・」


【ロドス!はいるか?】


 ・・・あれは、義父上と領地の騎士たち、何故、ここに、領地に隠居しているのではないのか?


「エミリアから、手紙をもらった!貴様!自分の娘に異常な教育をしていたな!」



「おい、そんな。馬鹿な。おい、そこの二人!・・・っていない」


「お前、愛人とその子を屋敷に引き入れたな!寄生虫は出て行け!」


「「「ヒィ」」」


「しかも、エミリアの予算から、ドレスや宝石を買っていたな!お前ら、娼館に行って、賠償をしろ!」


「「ヒィ」」

「どうして・・こんなことに」



 ☆☆☆侯爵家別邸


「まあ、アン、アリサ、他家はどうだった?」


「マリアベル様、秘密なのです」

「秘密・・・」


「フフフフフ、そうね。使用人として成長したわね。他家との比較は大事だわ。ちょうど、2週間ほど、学園の研修野営だったから、休暇にしたけども、どうして、冒険者ギルドのメイド業務に、応募したの?」


「アリサさんが、冒険者の登録をしたいと言っていたので、そこで見つけました」

「まあ、短期メイドに興味を持ったのね。じっくり教わらないから大変だったでしょう」


「はい、でも、お嬢様のところが最高と分かったのです」

「まあ」



 ・・・・


「お嬢様、大変です。貴族会議から、連絡が、

 伯爵家で、お家騒動が勃発したそうです。病弱と偽り。令嬢が、実の父に10年間屋敷に閉じ込められたと、お嬢様は、その令嬢のケアをして欲しいとの要望です」


「まあ、怖いわ。すぐに行くわ。アン、アリサ、お願いね」


「はいなのです」

「はい」



 アリサは、指揮系統を大事にしただけだった。






最後までお読み頂き有難うございました。

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