女子供だろうと容赦しない
前の方が断然書き易かったですね、次回投稿が解り辛くなってますね。
ヴィーガニズム王国にて野菜畑の火災で食物が肉のみとなり城内では騒ぎとなっていた。
「これはいったい、どういうことなの!? 野菜畑が謎の火災で全滅って何? おかしくない!?」
「そ、それが……とある男の逆鱗に触れてしまい今の状況に陥っていると言いますかなんと言いますか……」
罰の悪そうな表情の兵士が土下座のポーズで少し顔を上げ、金髪ツインテールのゴスロリ衣装を着たツリ目で我儘そうな子供に頭に脚を乗せられ叱責される。
「アンタの空っぽの頭から這いずり出てくる言い訳なんて聴いてんじゃ無いわよ! ま、仕方ないわね暫くはチートデイにして肉を食べるわよ、野菜はまた採れる様にしときなさい、良いわね?」
「で、ですがキャロット様……」
「今度は何? 別にあたしが何食べようが勝手でしょ? 皆には健康で居てもらう為に野菜を摂らせてるんだから、あたしってなんて優しいのかしら!」
「それが、肉を買い占められてまして……」
「はあ!? 何処のどいつよ、そんな阿呆みたいなことしてんのは!?」
「その阿呆が来てやったぞ、随分と我儘なメスガキだこと」
「誰!?」
城内の窓硝子を破り大きな袋を担いでバーゼスの姿があった。
「見張りの兵士は何をしてるの!」
「あの体たらくの奴等なら既にのしてるぞ、野菜ばかりで筋力が全く足りてなかったから気絶くらいで済ましておいた」
「なんなのよ、どいつもこいつも使えないわね! ほら、いつもは役立たずなんだからこんな時くらい男見せなさいよグズ!!」
「わ、分かりましたよ……」
「はぁ、どうせ勝負は一瞬なんだ……かかって来なよ」
「うおおおお!!」
兵士は剣を振りかざすとバーゼスへと斬りかかるも動きを読まれており軽く避けられ足払いをされ転倒した衝撃で気絶する。
「あーもう! 本当に使えない奴等ね!! 良いわ、こんな奴あたしだけで充分なんだから!!」
キャロットと呼ばれた少女は杖を翳し呪文を唱え始める。
「やれやれ、戦いってのが何なのか理解してない奴の考え方だな……詠唱が終わるまで待つと思うか?」
バーゼスは少女へと近付くと何やら結界の様な物が反射的に見え飛び退く。
「あら残念、既に詠唱は終わってたのよねー♪」
「あー、触れたらアウトだったな」
「中々の洞察力ね、他の兵士より頭が回るじゃない どう、あたしの下に付く気は無い? 今なら許してあげないことも無いわよ?」
「冗談キツイな、その程度の魔法で俺からの攻撃を不可能にしたと思ってるなら片腹痛いぜ?」
「強がりを言うわね、知ってるかしら? 弱い犬ほどよく吠えるのよ、戦いの基本てのを見せてあげるわ! それは如何に安全なところから相手に多大なダメージを与えられるかってことよ!!」
キャロットは喋りながら高速詠唱し無数の火の玉を周囲に出現させるとバーゼスへとランダムに軌道を変えさせ襲いかからせる。
「当たらねえよ、魂胆が見え見えだ ふん!」
バーゼスは飛んで来る火の玉を斬り裂く際に斬撃を飛ばしながら後方から飛んで来る火の玉もノールックで躱し続ける。
「ほらほら、どうしたの? なーんにも出来ないのー? そうやって斬り続けてないと死んじゃうよー? きゃはは♪ ほーら、頑張れ♪ 頑張……れ……」
その時、バーゼスの飛ばした斬撃がキャロットの持つ杖を斬り裂き放心状態にさせる。
「え、なにこれ? 何か魔法でも使った?」
「動くな!」
「な、何? あたしに命令してんじゃ……!?」
バーゼスの言葉にキャロットは怒り前に出ようとした瞬間、床から飛ばされた斬撃がキャロットの服を中央から斬り裂き胸元が開く。
「ひっ!!」
キャロットのバリアの中にはバーゼスの飛ばした斬撃がカンカンと音を立てブーメランの様に跳ね返り、青ざめたキャロットへと襲いかかりゴスロリ衣装を斬り裂いた後に消えていく。
「あ……あぁ……」
余程怖かったのかキャロットはヘタリ込み床にジワッとお漏らししてしまう。
「まだやるか?」
バーゼスは睨みながらキャロットへと質問するが少女は涙目で口をパクパクさせるだけで恐怖と言う物を肌で感じている最中だ。
「今回は様子見だが次は無い、良いな?」
キャロットはこくこくと頷き、バーゼスはその場を後にする。
暫くしてヴィーガニズム王国は菜食主義を強制しなくなりバーゼスの家も建て直され街の人達も美味しそうに肉を食べる。
「やっぱアンタ凄えよ! あのメスガキ姫に一泡吹かせるなんてな!! これで俺達も心置きなく肉が食えるってもんだ!!」
「そいつは良かったな、肉を買い占めたってデマを流させてもらって俺の方も助かったよ」
こうしてヴィーガニズム王国に平穏が戻ったと思ったのだが……
一方、菜食主義強制組織ヴィーガン以外に多数の派閥が存在していた。
「やはり、子供に任せたなは間違いね」
「それはそうでしょ、男女平等の意味も知らないしね」
「そういってやるな、環境の為に我々が出来ること……それは生きる伝説の抹殺、彼が邪魔になるのは避けられないわ」
怪しげな黒い人型の黒い影が水晶玉に映るバーゼスの姿を捉え不敵に嗤う。
慣れるのにかなりの時間かかりそうですわ。