彼女は紫ノ宮風華でした。③
はじめまして。
初心者なので雑で汚い作品です。ごめんなさい。
実体験を元にする事で主人公の心情をリアルに描けたらなと思って頑張って書いています。
粗末な作品です。恥ずかしいばかりです。
読んで頂ける寛大な方々へ先に感謝を言わせて下さい。
ありがとうございます。
下校時間、教室にはもう俺と紫ノ宮しか居ない。
教室にも廊下にも誰もいなくなったなと思った時ガガガっと椅子を引く音がした。
席を立ち真っ直ぐこっちに向かってくる。ぼんやりと外を見て座っている俺の前で立ち止まった。
見てる、凄く見てる。めっちゃ見てる、超見てる・・・怖い怖い怖い怖い逃げてもいいですか?マジで。
多分脅されるんだと思った。何もなかったように普通に生活しようとしてる俺を許してはくれないんだと思った。
「よかった。待っててくれた・・・嬉しい」
しかし、発せられた声はそんな考えが一瞬で吹っ飛ぶほど柔らかく甘い声だった。予想外過ぎてこれはこれでテンパる。
優しい声で、可愛い顔で、なんとも可愛い言葉をかけられた。でも何故だろう素直に受け取れない。なんかもう、なんだろ凄く怖いんですけど。
何もかもが思う通りに運ばない状況のせいか、ただただ臆病でシャイな性格なせいか、上手く言葉が出せなかった。
紫ノ宮は少し赤らめた表情でなんだかもじもじしながらスカートの裾を摘んだり伸ばしたりしている。
さっきまでのクールで無口な印象は全くなく、別人と言うか普通の女の子の顔をしていた。
「いっぱい、話したいこと、あるんだけど、さ。なんか上手く出で来なくて。その、ちょっとドキドキしちゃって・・・ねえ、巧太は、さ、どう思う?私は本当に・・・」
「ご、ごめん!俺もう帰るから」
その先を聞きたくない。あの頃を思い出したくない。あの頃の思いや感情を蘇らせたくなかった。
言葉を切るように勢いよく立ち上がり、それだけ言い放って歩き出した。しかしすぐに止められた、制服の袖口引っ張られたからだ。振り返ると俯いていて見えずらいが彼女の白い肌がとてもピンク色に染まっていたのが見えた。
「・・・っ」
「え?」
「まってっ・・・お願い。お願いだから、待ってよ」
クールな彼女に似つかない小さくて震えた声だった。
俺の制服の袖口を掴んだまま胸に手を当て呼吸を整えている。くそっ悔しいけどちょっと可愛い。ズルいなぁ、すぐにでも抱きしめたくなる。だからやめてくれ。
違うだろ?お前は。もっとこうクールで意地悪で、そんでとにかくエロい。純情なんでどっかに捨ててきたようなヤラしい目でいつも俺を見てただろ?そんな女だろ?
「・・・・・」
「・・・・・」
言葉が見つからない、凄く嫌な感じだ。
少しの沈黙のあとゆっくり顔を上げ俺を見る紫ノ宮は、まだ少し呼吸が荒くまだ少しほほが赤い。
ねえ、どうしてその目は潤んでいるんですか?ちょっとマジでやばい、ああ抱きしめたい。これがもし演技なら、なんとか女優賞とかすぐに取れそうだね、だから早くデビューでもしてくれ、そして俺の前から消えてくれ。
胸に当てていた手をグっと握りしめ、小さく深呼吸すると微かに「よしっ」と聞こえた。
制服の袖口を摘まんでいた手が離れたかと思うと、ガシッと腕を掴まれ引っ張られた。
終わった、と思った。
ご覧いただきありがとうございました。
恥ずかしいばかりの雑な作品と罵ってください。
むしろそれで勉強して成長したいと思います。
あらためて皆様に感謝します。
投稿は不定期になります。日々少しずつ時間を作って書いています。素人なので進捗や出来に関して悪くなる事がありますのでご了承下さい。