それでも俺は変わりませんでした。⑨
はじめまして。
初心者なので雑で汚い作品です。ごめんなさい。
実体験を元にする事で主人公の心情をリアルに描けたらなと思って頑張って書いています。
粗末な作品です。恥ずかしいばかりです。
読んで頂ける寛大な方々へありがとうございます。
「お!また夫婦揃って登校かー?」
七月に入ったくらいからよく耳にするようになった。俺と青木さんに対しての揶揄いだ。
「ヒューヒュー」
「いつもお熱いね、お二人さん」
『は?何言ってんだこいつ。ガキか?』
なんて言えるほど、俺は強くない。
『ばっ、バカヤロウ!そそ、そんなんじゃねーよ!』
そう言って笑いと元気でクラスを明るくする。それができるのはカースト上位の連中だけ。
じゃあ、俺は?
耐える!その一択。
「ちょっ、ちょっとーっ!もー彩加もやめてよぅ」
赤くなりながら慌てて川崎さんの所に寄って行った青木さん。それを見て周りも笑っている。
あー、なんて暖かい笑顔なんだろう。
こりゃ辞められないわな。だってめっちゃ可愛いもん。
俺も同じようにしたら・・・
なるほど、キモいモンスターの誕生だ。
周りから揶揄われるくらいに俺と青木さんの距離は近く、俺としては良い事も悪い事も日に日に加速していった。
冷やかし地獄を無言で耐え抜いた俺は、授業が始まると肩の荷が降りたような安心でやっと落ち着く。
「あ、あのさ。その、さっきはごめん、俺のせいで嫌な思いさせた、かも」
「え?全然全然!大丈夫、と言うかその・・・」
授業中にこっそりと謝罪。
小声でよく聞こえなかたったが、とりあえずは怒って無いみたいでよかった。
「私こそ何かごめん、私のせいかも」
「ええ?なんで!そんな、俺は・・・」
むしろ嬉しいというか申し訳ないと言うか。
先生の視線が気になってちゃんと言えなかった。
すると、ノートを俺の机に滑らせて来た。
『ところでさ、白井くん今好きな人っている?』
丸っこい可愛い字で書かれた唐突な恋バナ。
一番痛いトコ突かれた感じがする。
今も今までも俺がずっと逃げて来たやつだ。
『ごめん、ちょっと答えられない』
「・・・・・」
『だれ??』
少し間があったかと思うと強めに書いたノートがザっと俺の机に流れ込んできた。
どうすればいいか分からず困った顔を見せて終了。
それ以降のツッコミは無かった。
チャイムが鳴って次の授業の準備をしているとシャツの左側をクイクイ引っ張られ気付く。
「ね、誰?」
えっと、私は白井です。なんてね、違うよね。
「好きな人、教えて。誰?」
怖くて不安で泣きそう、それでも私頑張ってるの!みたいな顔で見ないでくれ。抱きしめたくなる。
「・・・い、言えない」
「・・・・・」
不満そうに、いや切なそうな小さい声で謝りながら詰め寄る体を元に戻した。
俺の制服のシャツは脇腹辺りに強くシワを残し、彼女に握られグシャっとなった様子が正に俺自身を表しているように思えた。
次の授業が始まると全然関係ない話で盛り上がり、ちょっとすれ違ったって関係無いと言わんばかりの明るさが、青木さんの魅力で好きだなと思った。
次の日
覚悟を決めたような表情で青木さんが待ち構えていた。
「白井くん!来週の中間テスト、一番点が取れそうな科目ってなに?」
「え?ちょっとなに?・・・ええーっと、数学かな?多分」
「わかった。じゃあ数学で勝負ね!」
本当にいきなり何なんすか?
「『負けた方は勝った方に好きな人を教える』いい?」
「え、んな強引な。えと、拒否権は?」
「ないです!」
うそー
やり切った!見たいな深呼吸をするといつもの柔らかい雰囲気に戻っていった。
そして、一歩下がり少し照れた顔付きであらためて俺を見る青木さん。
「・・・私だって。負けたら、ちゃんと言うし」
不意打ちの一発、俺の中で何かのスイッチが入る音がした。
ご覧いただきありがとうございました。
恥ずかしいばかりの雑な作品と罵ってください。
むしろそれで勉強して成長したいと思います。
投稿は不定期になります。日々少しずつ時間を作って書いています。素人なので進捗や出来に関して悪くなる事がありますのでご了承下さい。