それでも俺は変わりませんでした。②
はじめまして。
初心者なので雑で汚い作品です。ごめんなさい。
実体験を元にする事で主人公の心情をリアルに描けたらなと思って頑張って書いています。
粗末な作品です。恥ずかしいばかりです。
読んで頂ける寛大な方々へありがとうございます。
白井家で久しぶりの家族揃っての夕飯、いつまでも箸を持たずにあらたまった表情で母さんが口を開いた。
「三月に入ったら引っ越すからね」
え?
「え!?じゃあっ大学もオッケってこと!?」
「そうね、佳乃の好きなようにしていいわよ。アルバイトするとは言っていたけど、お母さんも出来る限りのことはするからあまり無理はしないでね」
「大丈夫!ちゃんと計画も立ててるから。良いバイトの当てもあるし、基本的には一人で大丈夫」
「まあ佳乃なら、とは思ってるけどやっぱり心配はするわ。厳しくなる前にちゃんとお母さんを頼るのよ?」
こんなに活気ある姉さんは本当に久しぶりだ。それくらいに驚くほどの元気な返事をして食事を進める姉さんだった。
しかし、母さんはまだ箸も持たず今度は俺の方を見て言葉を続けた。
「巧太には悪いんだけどね、転校になっちゃうから。今勤めている病院の近くで部屋を探しているの。佳乃が出て巧太と二人ならここはちょっと広過ぎるし、と言うか家賃の問題もあってね。いいかな?」
「別にいいよ。母さんが楽な方で着いて行く」
と言うか、正直願ったり叶ったりだ。
「ありがと。でも・・・駅五つ位ではあるけど、郁乃のとこにはなかなか行けなくなるかな」
そっか。茜、だよね。
◇◇◇◇◇
駅前の居酒屋の戸を開き、客席を見渡す。
『いらっしゃいませー』と店員全員で歓迎され名前を言い奥の一室に通される。
どこにでもある有名な全国チェーンの居酒屋、全席個室で喫煙席もある為、予約をしていないと座れない時があるくらいの人気店だ。
「ごめん郁乃、待った?」
「お疲れさま。大丈夫よ、先始めてるから」
大人恒例の『とりあえず生』。さすが慣れた定員でそれを秒で持って来る手際の良さ。
あらためてお疲れを言い合いグラスを鳴らす。
「ヒロ?聞いたよ巧太君に」
「あー引っ越し?まあね、佳乃が家出て都内の大学行きたいって言うからさ、結構悩んだんだけど、ならいっそって思って」
「まあ、それは良いんだけど。ずっと言ってるけど、本当に巧太君ずっとうちで預かっててもいいのよ?なんなら高校出るまでみるし、お金の事なら本当にいいから」
「ありがと、でも大丈夫。既に相当世話かけちゃいながら言える事じゃないけど、そこまでは。まあ、母親の意地ってもんかな。はは」
「んー、でもうちとしても茜がね、巧太君居ないとちょっとダメかも。だから居てくれたら助かるのよね」
お互いの家庭事情を語りながら、お通しとサラダだけで四杯目のお酒を注文していた。
お酒が入っているからか、家庭ネタは続くが序盤の深刻な話題から笑い混じりに変わり久しぶりの呑みを楽しんでいた。
「じゃあさ、もしかしたら私ら親戚になっちゃうかも。なんてねー」
「まあ茜の方が溺愛?と言うか依存しちゃってる感じだから巧太君次第かな?でも巧太君イケメンだからライバル多そうね」
「いやいやいや、巧太なんて全然!茜ちゃんこそ将来間違い無く美人だし、むしろ絶対放すなーって感じよー」
終始子供ネタが続き上機嫌の二人。巧太の母、廣佳が郁乃の肩に腕を掛けよろけながら店を出た。
「私はいつでもいいから。また時間作って誘いなさいよね」
「はいはーい。じゃーこーたをよろしくねー」
少し心配しながら小さく手を振り見送る郁乃。
と思ったら廣佳が慌てて走り近寄って来た。
「こーた!あげたわけじゃないからね!いーい!」
はいはい。と少し疲れた返事で流しながら背中を押し家路へ向かわせた。
◇◇◇◇◇
燈山家の夕食が済み、リビングで郁乃さんがあらたまった空気を出し俺と茜の前に腰を下ろした。
「巧太君、話していいよね?」
何の事かはすぐにわかった。
引っ越しの話、どうにも言い出しづらく未だ茜に言えないでいた。
さすがに五駅分を毎日電車通学はできない。
それでもたまには頑張るつもりだ。
母さんと郁乃さんと話し合った結果、今とは逆に金土日の週末はこっちに来る。そんな計画で茜を納得させるつもりだった。
郁乃さんが話終わるまでずっと黙って聞いていた茜。少しの沈黙の後、声も出さず顔を歪め俺に抱きついて来た。
全身が震えているのがわかった。しがみ付くよつに回した手は強く、お腹の付近は次第に冷んやりと水気を感じ始めていた。
茜は何も言わない。
そんな茜の説得には数日かかった。
ご覧いただきありがとうございました。
恥ずかしいばかりの雑な作品と罵ってください。
むしろそれで勉強して成長したいと思います。
投稿は不定期になります。日々少しずつ時間を作って書いています。素人なので進捗や出来に関して悪くなる事がありますのでご了承下さい。