それでも俺は変わりませんでした。①
はじめまして。
初心者なので雑で汚い作品です。ごめんなさい。
実体験を元にする事で主人公の心情をリアルに描けたらなと思って頑張って書いています。
粗末な作品です。恥ずかしいばかりです。
読んで頂ける寛大な方々へありがとうございます。
本当の俺の家はこの燈山家から一駅分近く離れた所にあり、小学校も中学校も子供の足で小一時間ほど歩き通っていた。
以前、茜になんで一緒の学校じゃないの?と聞かれた事もあったが、そういう事もあるんだよと無理矢理言いくるめた事もあった。
もし同じ小学校に通っていたら、茜は今不登校になっていなかったかも知れない。学区の違いはどうする事も出来ないのに罪悪感に似た後悔が胸に刺さるように残っていた。
「おかえりーお兄ちゃん」
「ただいま。あれ?今日の学習はもう終わったの?」
俺に向かって親指を立て、パーフェクトスマイルを見せる茜。その後すぐに見ていたアニメに釘付けになっていた。
あの日以来、家では相変わらずの無邪気で可愛い茜。この家では学校に関わる話題は暗黙のルールで禁止としていた。
父親がいない。
血の繋がりのない兄妹。
それでも、間違いなく平和で温かい家庭だった。
それは変わらないはずなのに、なんとなくガラス細工で出来た作り物のような危うさを感じるようになっていた。
ずっと壊れないでいて欲しい。
「茜?明日と明後日はお兄ちゃん向こうの家に行くから」
「えー!やだ。むり、ダメ!」
「ごめんねっ。なら茜も来る?姉さんもいるよ?」
「んー・・・、お姉ちゃんにはちょっと会いたい。けど・・・でもやっぱ茜待ってる」
まあ、そうだよね。
しぶしぶ納得する茜はいつもの事、そんなに悲しい顔されると本当に辛い。でもそこがまた可愛い、なんて思っちゃったりもしてしまう。
俺、シスコンだな。いやロリコンか。
いいや家族愛です!
茜はどう思ってるんだろう。
なんで父親はいないのか。
なんで他にも帰る家があるのか。
なんで姉は別の家に住んでいるのか。
なんで他にも母親がいるのか。
多分だけど無意識に考えないようにしているんだと思う。もう四年生だ、考えてしまったら理解してしまう。
それは俺との関係に距離を感じるかもしれないし、安心できる居場所が壊れてしまうかも知れない。
だから茜はいつも何も聞かないんだと思う。
実は俺も学校でイジメられているんだ。なんて言ったら茜はなんて言うんだろうな。
茜が学校に行かなくなった日から一緒に寝るようになった。俺が向こうの家に行く前の日は、いつもこんな風に抱き付くみたいにくっ付いて寝る。
なんだか凄く切なくなる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「おかえり巧太」
良い笑顔で母さんに迎え入れられ、荷物を置いてからリビングに顔を出した。
姉さんは視線だけ向けて特に何も無し、まあそれが平常だ。
不思議な話だが、自宅に帰ってきたのに違和感が凄い。人の家にお邪魔するような、良く言って親戚の家に来たみたいだ。
親が離婚してから二、三年、ほとんど燈山家に預けられ、その後も一年の半分以上は燈山家にいる。
保育園では完全に郁乃さんが母親と思われていたな。
俺が小学校に上がる頃から母さんは看護師として市内の病院に勤務している。
その頃にはもう中学生だったしっかり者の姉さんは、実家に残り母さんを支えていた。遠山家にはたまに遊びに来る程度だった。
「少し早いけどご飯にしよ」
「なんかちょっと豪勢ね?何かあるの?」
「久しぶりに家族揃ってなんだし、お母さんもちょっとは頑張るわ。それと、二人に話もあったしね」
「ふーん。ま、いいんじゃない?で、なに?再婚?」
ではないらしい。あたふたしながら否定する母さん。歳を取っても茶目っ気を残し、まあ良い意味で可愛い母親だ。
母さんに似てそこそこ美人の姉さんだが、性格は真逆で慌てたり動揺した姉さんを俺は見た事がない。
明るいノリも感じるし冷たいとは違うけど、何事にも動じないとことかはちょっと怖い。
そんな二人が俺の本当の家族。
ちょっと変わった生活してるけど、俺は二人が大好きだ。
ご覧いただきありがとうございました。
恥ずかしいばかりの雑な作品と罵ってください。
むしろそれで勉強して成長したいと思います。
投稿は不定期になります。日々少しずつ時間を作って書いています。素人なので進捗や出来に関して悪くなる事がありますのでご了承下さい。