過去の自分がずっと嫌いでした。⑦
はじめまして。
初心者なので雑で汚い作品です。ごめんなさい。
実体験を元にする事で主人公の心情をリアルに描けたらなと思って頑張って書いています。
粗末な作品です。恥ずかしいばかりです。
読んで頂ける寛大な方々へありがとうございます。
ありえない、ありえない、ありえない。
意味がわからない。何でそうなる?
『おつうは白井君でいく』
は?待て待て待て、自分で言うのも何だけど、こんな口下手で声小さくてシャイなヤツに主役務まるわけないじゃん!ってかまず俺男なんですけど!
俺!男なんですけどー!
ガヤ付きが収まらない。しかし次第に笑い声の方が大きくなり、いけいけーっとみなノリノリになっていた。
先生、多分知ってますよね?俺ちょっとイジメられてるの。しかも今オカマオカマって悪口言われてるの知っててこの配役ですか?そっち側だったんですか?トドメ刺す気ですか?
「じゃあこれでみんな決まったわね。渡した台本は持って帰って夏休みの間にセリフちゃんと練習しておく事、いいわね」
何故か胸を張り我が物顔の担任。
最悪だ。
今日はこんなんばっかだなと肩を落とし、人のいなくなった通学路を歩いていた。なんとなくいつもより時間がかかり家に着くなり恒例の茜ダイブへ直行した。
この学校に俺の味方はいない。
学校に行くのがとても憂鬱になった。
しかし『行かない』とならなかった幼き俺、はい拍手!
ってかさ、おつうってなに?人に化ける鳥、そりゃ化け物か妖怪の類いだろ!おじいさん突然尋ねて来たそんな化け物、家泊めちゃだめです。マジで。怖い女もいるんです!
ここにいる女の担任は、俺では無くイジメ側の手を取った。そんな異常事態に混乱と動揺が隠せないでいた。
『おつう役の白井君』
焼け石に水、いやファイヤーボールにインフェルノだろ。
体操服事件でこれまで味方側だった女子達もほとんど寝返った。弁明の機会も無く結局犯人は俺と皆思っているんだろうな。
とは言え小学生が起こすイジメ、まあ慣れてしまえばこれもまた日常。ただただつまらない日常だ。
夏休みは引きこもり兼お守りの毎日。
俺のオアシス茜とほぼ二十四時間一緒にいることができ、精神的には十分に回復していた。
二学期、本格的に劇の練習が始まり俺にとってはただただ苦痛の毎日で、既にそれすりゃ日常と化していた。
劇練も火急、本番に向け本番と同じように衣装、セットを揃え体育館のステージで行われていた。
「はいはいストップストップ!だからさぁもっと声張って!もっとおつうの気持ちになってって言ってるでしょ!っもう何回やればできるのよ!」
何回やってもできないです。だってやりたくない、俺男ですよ?無理でしょ?それに何で自分からイジメのネタ作りしなきゃならないんですか?
軽く手を打ちリテイクを指示。
嫌々ながらも精一杯の演技をした。
パンッ
風船が割れるような渇いた音が体育館に響きこだました。
「真面目にやりなさい!」
担任からの平手打ち。この女教師は怒るとビンタをする、小学生には辛く大抵の生徒は泣いてしまう。ただ俺は耐性がありこんな理不尽な暴力くらいじゃ腹も立たない。
母さんの方が痛いな。
頬よりも胸が痛い、本当にもうヤダ。いっそ死にたい。でも死ぬ前に茜に会いたい。姉さんと、母さんに会いたい。
淀んでいく感情、病んでいく心を感じ、目の前の人間の話しが一切耳に入ってこなかった。
「・・・ってみたいにね、やるの。わかる?ほら、こうすればもう少しおつうに成り切れるから。はいっ!ほらすっごい可愛いわ」
クラスメイトに囲まれ真っ白の着物を着せられた。そして全員の注目を浴びながら担任に化粧をさせられている。最後に紅を塗り終わると最高傑作の完成とでも言いたげな満面の笑みで俺を見た。
大丈夫、俺は今心を閉ざし無敵になったんだ。先生、満足ですか?でもほら、みんな笑ってる。あれはバカにした方の笑いですよ?
地獄の日々。
今日もやっと終わった。
じゃあ帰るか。
学芸会当日の朝、小学校に上がり初めて熱が出で初めて学校を休んだ。熱は一日で引いたけど学校は一週間休んだ。
被害者なはずなのに、逃げてしまった罪意識からか登校できるようになるのに数日かかった。
それもまた罪悪感に変わり俺の心に刻まれていた。
ご覧いただきありがとうございました。
恥ずかしいばかりの雑な作品と罵ってください。
むしろそれで勉強して成長したいと思います。
投稿は不定期になります。日々少しずつ時間を作って書いています。素人なので進捗や出来に関して悪くなる事がありますのでご了承下さい。