表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛はSEXだと思ってました。  作者: 来栖 サナ
45/230

また傷を抉られました。⑩

はじめまして。

初心者なので雑で汚い作品です。ごめんなさい。


実体験を元にする事で主人公の心情をリアルに描けたらなと思って頑張って書いています。

粗末な作品です。恥ずかしいばかりです。

読んで頂ける寛大な方々へありがとうございます。

「え?!なんで?こーた?」


 気が付くと今にも泣き出しそうな紫ノ宮が床に座っていた。

 そんな紫ノ宮の顔を見て自分の意外な行動に自分でも戸惑っていた。


 記憶を遡って振り返る。

 半裸にされた俺、その俺に跨った裸の女子。

 そんな構図の中、俺はその女子を突き飛ばした。


「も、もう!もうほんとにこういうの、やめよう」


 起きた状況を理解できない、そんな様子で真っ直ぐ俺を見る紫ノ宮。


「もう、しししないし。ここにも、もう来ないで。今日は泊まっていいから、今日までにしてっ」

「え?え?わかんない。どーしたの?」


 少し焦るように、俺の言葉を理解したくない強引な問い。

 器用に言葉が出せない、無言という回答が精一杯だった。


「ご、ごめんなさいっ!ちょっと疲れてたかな?あっ!そうだっ、先にお風呂入る?」

「そういう事じゃ、なくて・・・」


 必死さが逆に俺の心を逆撫でる。


「か、彼女のこと悪く言ったわけじゃないのっ!い、いいの、どれだけ彼女作っても。私は、私はただこーたと今まで通りの関係でいいればいいのっ」

「・・・・・」

「こーた?・・・私のこと、嫌いになったの?」

「・・・き、嫌い、だよ」


 生まれて初めて、女性に『嫌い』と言った。酷い事言ってしまったせいか、胸が引き裂かれるように辛かった。


 沈黙、どうすればいいのかわからない。

 ふと彼女の方へ目をやった。


 冷たい床にペタンと座り込んだままの裸の女子。

 真顔のまま変わらない表情の紫ノ宮の瞳から大粒の涙が流れ始めた。


「えっ?!紫ノ宮さん?!ご、ごめ・・・」

「泣いてない!」

「え、いやでも・・・」

「泣いてないから!」


 拭ったら認めてしまうとでも思ったのか、そのまま必死に涙を止めようとしている。


 そりゃそうだ。紫ノ宮には一度も『好き』と言われた事は無いけどこんな関係ずっとやってれば。そんな相手に言われたら、そりゃ傷付く。


 女子を傷付けた。単純にその罪意識が重い。


「べ、別にいい。それでもいい。また来るから、私が来たらこーたはいつも入れてくれるからっ!」


 頭の中がぐちゃぐちゃにかき混ぜられているみたいだ。爆発しそうと言うかなんか頭の奥の深い所が酷くつーんとする。


 紫ノ宮は本当にそうするだろう。

 何を言っても無駄感がある。

 でも彼女だけを悪く責められない、ここまで拗らせてしまった俺自身の責任もデカい。


 大きく深呼吸し言葉を整理する。そして立ち上がりスマホを持って彼女の正面に座った。


「わかった、いいよ。来て、いいよ。もう、拒まないから。逃げたりも避けたりもしない、連絡先も教えるしたまに会うようにする」


 彼女の涙は止まっていた。


「だ、だから突然勝手に来るとかは、やめてほしい」

「・・・・・」

「き、嫌いって言ってごめん。それは嘘・・・」


 言葉はそこまで、紫ノ宮に口を奪われ止められた。抑えていた気持ちが爆発したかのように獣と化した彼女を受け止めることにした。


 ストーカーになられたら怖い。

 弱みを握られている気がして怖い。

 やっと築いた日常を壊されるのが怖い。

 

 そう思ってしまう程の猟奇的な恐怖を感じていた。


 だから、しょうがないよな。


 そう被害者意識で必死に自分に言い訳している自分がいる、それがまたとてつもなく気持ち悪かった。


 ◇◇◇◇◇


 目覚めと同時にため息が出る。

 年寄りか、俺は。


 マジで上書きされた。

 紫ノ宮の匂いを全身から感じる。彼女との大切な思い出がこいつのせいで記憶まで薄れていきそうだ。


 昨日の朝と同じく、やはり至る所が絡み付き動けない。紫ノ宮の寝顔を眺めながら、後悔と罪悪感でいっぱいのはずなのに寝起きに発生する人体の不思議について考えていた。


 ほんと情けない。


 その後、昨日と同じようにシャワーを浴びてから朝食を済ませ、俺はバイト先へ紫ノ宮は帰宅の為、駅で別れた。


 そんな複雑な心境でGWがスタートしたにも関わらず、これ以降は至って平和だった。


 一日黒坂と遊びに付き合い、バイトに行って彼女と会う。学校が始まってからも変わらずそんな毎日だった。


 彼女とのデートのほとんどはどちらかの家。

 何故か俺が付き合う女性は皆そればっかりが多い。


 男としては、まあ嬉しい限りだけど。


 そして何故かいつも突然に俺をフる。


 六月に入った頃、俺はまたフリーになった。

 唐突に、理由も分からず。いつも通りに。


 俺が密かに抱える心の傷は深まるばかり、いろんな方法で深く抉られたり増やされたり。いい加減自分を見失いそうだ。

ご覧いただきありがとうございました。

恥ずかしいばかりの雑な作品と罵ってください。

むしろそれで勉強して成長したいと思います。


投稿は不定期になります。日々少しずつ時間を作って書いています。素人なので進捗や出来に関して悪くなる事がありますのでご了承下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ