また傷を抉られました。②
はじめまして。
初心者なので雑で汚い作品です。ごめんなさい。
実体験を元にする事で主人公の心情をリアルに描けたらなと思って頑張って書いています。
粗末な作品です。恥ずかしいばかりです。
読んで頂ける寛大な方々へありがとうございます。
デカい声で恥を晒され胸が痛い。
震える手をそわそわ動かしながら入れそうな穴を探し始める俺でした。もう何なのこの子。ぐすん
「あの時たまたま家に帰る途中だったんですけど、駅前のメインツリー綺麗だなって思ってベンチに座って眺めてたんですよー」
え?続けるの?ちょ、ちょ待てよ。
「そしたら隣のベンチのカップルが何だか不思議な会話してて、彼女さんは待ってる男いるから別れるーとか言ってるし、彼氏さんは笑顔で見送ってるし」
いやほんとに、なんなのこの子。もうやめてー
「イブにフるとか何考えてんだろ、だったらもっと早く言えばいいのに。フラれる側はたまったもんじゃないですよー」
ええ、今もたまったもんじゃないっす。
「彼氏さんも怒らずそのまま引き下がっちゃうし、今日はイブですよ?いいんですか?って。でも何も言わずそのままベンチに座って空見ながら黄昏てる姿見てたら、何だか居た堪れなくなって。それで持っていたココア渡したんです」
『元気出して下さいね』
ココアと一緒に優しい言葉をくれたあの子が紅林さんだったとは。あの時の俺は素直に通り掛かりの天使を見た。なんてアホな事思ったけど。
まじでアホだったな。
まさか数ヶ月後再会し、その天使にその時の傷をこんな風に抉られる事になるなんて。ははっ死にたい。
紅林さんはクリクリの目をギンギンに開き、ハイテンションのまま偶然の再開に何か特別なものでも感じたのか俺の気持ちなんてお構い無しといったご様子だ。
「先輩あの時って・・・」
「待った待った待ったー!」
勢い良くカーテンを開けドクターストップに入ってくれたのは金城さんだった。
「紅林さんっ!そこまでにしてっ、私もいるんだよ?これ以上は白井君が死んじゃうからっ!それに私もこれ以上は聞いててちょっと辛い」
言われてやっと気付いたのか、ゆっくりと椅子に腰掛け小さくなっていく紅林さんだった。
しゅん、と小さい子犬みたいになった紅林さんがちょっと可愛いかった。ただそれよりも掻き乱された俺の心はプチパニックで必死だった。
気まずそうにする金城さん、掛ける言葉が見つからないのかこっちに手を伸ばしたり引っ込めたりしている。
とりあえず俺もさっさと着替える事にした。
交代で着替えに入る紅林さんは未だローテンション。テーブルでは俺と金城さんが向かい合って座っているものの互いに掛ける言葉を探している。結局は沈黙の時間。
「あ、あの。白井先輩、さっきは本当にごめんなさい。何か一人舞い上がっちゃって勝手にペラペラと・・・」
「あ、まあ、大丈夫。いいよ、ほんと平気。気に、してないから」
「・・・・・」
あからさまにバレるテンションで嘘ついてもうたわ。
ほらぁ、二人とも目が泳いでまっせ。
「いやほんとだよ?今彼女いるし」
「「え!?」」
「ま、と言うわけで先帰りますね」
「えっ?ちょっと待って詳しく・・・」
「知らなかった。もっと奥手な子かと・・・」
「そうだったんですね先輩。あ、もしかして今も裏口で彼女さんが待ってるとかだったりして・・・」
二人から掛けられた言葉を半ば無視するように笑顔だけ返し休憩室を出た。残った二人は俺ネタの延長線をしているようで、そんな話し声を聞きながら裏口へ向かった。
『裏口で彼女が待っている』
それはそれでちょっと可愛いな。まあ無いか今日の今日だし、でも早く帰って連絡したい。
そんな事を思いながらドアノブを回し裏口のドアを開けた。
そしてすぐに閉めた。
俺はまだ店内にいる。
え?あんれー?
違う違う違う、こっちは待ってないっ!
あらためてドアを開け現実を知る。
店の裏口を出ると、そこに紫ノ宮風華が立っていた。
ご覧いただきありがとうございました。
恥ずかしいばかりの雑な作品と罵ってください。
むしろそれで勉強して成長したいと思います。
投稿は不定期になります。日々少しずつ時間を作って書いています。素人なので進捗や出来に関して悪くなる事がありますのでご了承下さい。